本焼き包丁は、どんな包丁か、お話します②
魚をさばくシーンの続く動画でございます。
銀座のふぐ職人、熊澤でございます。
苦手な方は、このお話のお題でございます、09:54頃まで、
飛ばしてごらんいただけたらと存じます。
ふぐ料理で、「つう」と呼ばれる方に、人気が高いのが、ふぐの皮。
とらふぐには3枚の皮があって、それぞれ、味と歯ごたえが違います。
この動画では、ふぐの中でも最高とされる、誰もが欲しがる、2キロのふぐを使いまして、
捌く板前の技術として、ふぐだけに必要な技術、ふぐ皮の皮引きをお見せしております。
最高の食材には、最高の技術が必要です
ふぐは、「人が味を作る魚」とも、呼ばれております。
それまで、ふぐを扱ったことのない方が、急にふぐをさばいても、
美味しいどころか、
独特の魚臭さが残ってしまって、食べられたものではなくなる魚でございます。
それを、下関はじめ、
ふぐを美味しくさばく技術のある港で、美味しくさばかれて、流通するからこそ、
ふぐは、世界的にも評価の高い食材にまで、昇りつめました。
ふぐは一般に、除毒の技術の、あるなしを、話題にされますが、
エキスパートの職人たちにとって、
いかに、ふぐのおいしさを引き出すか、が、実はとても難しいのでございます。
ふぐだけに必要な技術 ふぐの皮引き
現在、ほとんどのふぐの皮は、「皮引き機」という機械で、トゲを取り除いています。
東京都のふぐ試験でも、
最近になって、皮引きの技術は試験科目からなくなりました。
今後は、この、ふぐの皮引きの技術は、急速にできる方が少なくなると思われます。
それでも、
動画のような、大きなふぐの皮は、機械には入れられないので、
現在も、人間がさばいております。
やはり、最高の食材は、最高の技術を求めてきますね。
ふぐの美味しいさばき方のエッセンスは、現在でも秘密です。
私は、銀座にありながら、その捌き方を知っている職人でございます。
この動画では、その技術の一端なりとも、ご覧いただけたら、と、存じます。
<毎週日曜・水曜 12:30に更新します>




