接待 と プレゼン テーション の違いとは?

熊澤彰

熊澤彰

テーマ:宴席・接待・縁結び

銀座の1日1組の貸切個室

プレゼン得意 接待苦手な方に


銀座のふぐ職人、熊澤でございます。

私にとりまして、最初のコラム、緊張しますね。

恐らく、このコラムを開いてくださった方の中には、

少しばかり、今の私と似ている方もいらっしゃるのではないか、など、想像します。

プレゼンでは、ある程度、上手く行かせる自信と自負がある。でも、接待は、どうにも苦手、

そんな方、案外に多いんですね。

実際に私の店をご利用のお客様でも、四苦八苦されていらっしゃる方は多いです。

それに対して、

接待もプレゼンも、バッチリだ。という、頼もしいお方も、私はしょっちゅう惚れ惚れと眺めておりますが、

そうした方は、よく「ほんのチョッと、気持ちの入口を変えるんだよ」なんて、おっしゃいます。

プレゼンテーションは、いわば、聞いてくださる方が集まっていて、

そこで、ご自分あるいはご自分たちが、どれほど「できる」か、お話する場面。

「can」の、時間ですね。

一方、巷で売られている「接待バッチリ術」なんて本を開くと、

「コレしちゃだめ」「アレしちゃだめ」の、オンパレードで、

中でも一番多く書かれているのが、「can はだめ」ときてる。

いやぁー、困った、困った。

これでは、その本を手に取った時点で、

ご宴席でお客様の心をつかむ、なんていうことは、出来なさそうに思えてしまう。

そこで、とっても僭越ではございますが、

ヒントになるかもしれないお話を、できたらな、と存じます。

私のような人間には、そもそも、プレゼンという場面は、無縁に近いです。

せいぜい、1千人様程度を相手に、マイクで一方的に、お話した程度。

このお話も、お読み流して頂いて、

後で、「あ。」と、お気づきのことがあれば嬉しい、その程度です。

ご宴席とは、どんな場所


たとえば、釣り船で。

同じ船に乗り合わせた同士、狙いの魚も、だいたい決まっていて、

港を出る時は、知り合いでも、あまり会話は弾まない。

それが、ポイントに着いて、釣れてる人、イマイチな人が、出てくる。

怒ってる人、得意げな人。

イイ人、悪い人。

釣りながら、何気なく感じるうち、自分でも、気づかないうちに、

「この人には近づかない方がいいな」なんていう人を、見定めていたり。

で、時間になって、釣り道具をしまう頃には、

「あそこがいい」だの「今度はどこに行こう」だの、

たった一度の乗り合わせでも、妙に会話が弾んでくる。

そんな経験、どなたでもあると存じます。

ご宴席は、とっても、この状態に近いです。

お相手が、聞きたいこと


お時間を決めて、ご一緒に、同じことをする。

これが、お食事になるのが、ご宴席です。

ご宴席で、お相手が知りたがっていらっしゃるのは、

最初なら、まず、

「あなたは、どんな人?」という、1点です。

どんな事に興味を持って、どのタイミングでそっぽを向いて。

そういう「どんな人」ですね。

「そんな事と、先日の必死なプレゼンを比べてもらったら困る!」

とお考えでしたら、平にお許しください。

でも、プレゼンの後の、ご宴席なら、

必死を、必死のままでは、お食事できませんから。

国の元首同士の会談でも、

「会談だけ」より、

「会談と食事会のセット」のほうが、

より、重要な会談と、受け止められるくらいです。

何にしましても、

慣れない事には違いないでしょうから、大変とは存じますが、

むしろ、笑顔でお食事をするためには、

「先日のプレゼンの資料集め、大変でしたヨ~」

ぐらい、

場合によっては、仰って宜しいことも、ございます。

お相手が、ご宴席で、貴方様を理解して下されば、

この先訪れる、予期せぬアクシデントでも、お相手は、

「アーあの人なら、先日の宴席で、こんな人だったから、ここまで平気だな」

と、ある程度、気持ちを広く、持ってくださるものです。

プレゼン と、契約 と、訴訟 だけのお付き合いの関係も、あるとは存じますが、

ご宴席を持とう、となさるのでしたら、

将来の、柔軟な関係を築きたい、と、先方は思っていらっしゃるでしょう。

こちらが、そう思っているのなら、なおさら、ですね。

私の役は?と申しますと


では、ご宴席で、今お話している私は、どんな役なのか、と申しますと、

「美味しい料理を出すところ」

というだけのお店様も、あるでしょうが、

私は、どちらかと申せば、

先ほどのお話

「釣り船」の、船頭の、気分でしょうか。

釣れるポイントへ船を回して、時には、魚の詳しいお話を、少しだけして。

皆様のお気持ちの「温度」を、少し上げて差し上げる。

そんな、役ですね。

せっかく、ご宴席の日時まで決めて、

お忙しい中、お集りになっていらっしゃるので、

私たちが、少しお力添えするだけで、とっても、お席は和みます。

わかりやすく申しますと、

私は、そういう人間でございます。


接待でご宴席にお困りの際は、どうぞご一報くださいませ。

<毎週日曜・水曜 12:30に更新します>

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熊澤彰
専門家

熊澤彰(ふぐ調理師)

ぎんざ姿

ふぐ調理師として40年以上の経験を持つ。自ら日本全国を渡り歩いて選んだこだわりの食材だけを使用。1組の顧客に最大限のおもてなしをしたいという思いから、1日1組最大6名に顧客を限定している。

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