毎日の食事に欠かせない「お箸」の素晴らしさ
先日、料亭で日本料理会食実践レッスンを開催しました。
夏らしい食材の数々に鱧、そして土用の丑の日を前に一足早く鰻をいただいたり。
「マナー・作法を知っていると、知らないより楽しみ方が断然違いますね!」とお声を頂き、私も嬉しいです。
美しいように見える『手皿』は本来はタブーです
ところで皆様、ついつい「手皿」をしてしまいませんか?
手皿とは、お箸で料理を口に運ぶときに手を添える行為です。
今回の会食実践レッスンの時にも「気付くとしてしまっています。」と話題になりました。
手を添えたほうが美しい、と信じている方もいらっしゃるようですね。
でも、和食の作法としては残念ながら良いことではありません。
添えている手の上に料理が落ちたら…?まさか、その手から口に…などということはミットモナイ!!
では、どのようにしたらよいかをご紹介します。
手皿をせずに美しくいただく3つの方法
難しいのでは?と構える必要は全くありません。とても簡単なことばかりで、すぐに実践頂けます。
①器を持ち上げていただく
西洋の食事作法は器は置いたままですが、和食は器を持ち上げて良いのです。
器は口の近くまで移動できるのですから、安心していただけますね。
②懐紙を使っていただく
料理を口に運ぶとき懐紙を添えながらいただくのもオススメです。とっても粋!
もし懐紙に素材が落ちても、折り畳んで懐紙入れに入れて持ち帰ることができます。
自分の後始末は自分で。こうして「清状さ」を保つことは日本人ならではです。
③お椀の蓋をつかう
お椀の蓋を受け皿代わりに使う事が出来ます。
ちょっと上級者に見えそうですね!
特に「器を持ち上げていただく」ことは和食の基本作法です。
ご飯茶碗やお椀、煮物や酢の物などの器は、手のひらで持ち上げられる大きさです。
器を手で持つことで器の感触や料理の温かさを感じ、食事を心から楽しめます。
取り分け皿(小皿)を使う事も多いと思いますが、もちろん持ち上げましょう。
器を持ち上げ、そして姿勢を正すと「美しく食事できる人」として映えるのです!
ちょっとした心がけで「きちんと食事ができる人」に見えますし、何よりご本人が楽に食事できます。
マナー・作法は長い歴史の中で培われた「理に適った方法」と「美しさ」を兼ね備えています。
器を持ち上げて食事ができる日本食は、世界でも稀に見る独自の文化ではないでしょうか。
西洋の食事はプレートを置いたままですし、同じお箸文化でも中国や韓国では器を持ち上げません。
他の国とは大きく違う食の作法だからこそ、誇りにしたいものです。
毎日の当たり前に感じられる食事も、一つ一つに目を向けると「面白いなぁ」と思えることが沢山ありますね!