マンション管理員が何よりの宝
「うちのマンション、管理会社を変えるなんて無理だよね?」
そう思っていませんか?
理事長に就任したばかりのあなたは、きっとこう感じているのではないでしょうか。
理事会の出席者はいつも同じ顔ぶれで、なかなか総会でも意見が出ない。
管理会社からの提案も、「はい、そうですね」と聞いているだけで、本当にこのままで良いのだろうか……。
日々の仕事やプライベートで忙しい中、理事の仕事も手探り。
「資産価値を下げたくない」「住みやすいマンションにしたい」という思いはあるものの、何から手をつけていいのか分からない。特に、管理会社への不満があるけれど、変更するなんて大掛かりなことは、時間も労力もかかって大変そうだと諦めてしまっていませんか?
でも、ご安心ください。実は、あなたのマンションでも、管理会社を変えることは可能です。そして、その一歩を踏み出すことで、マンションの未来が大きく変わるかもしれません。
小規模マンションこそ、管理会社変更で変わるチャンスがある
「うちのマンションは戸数が少ないから、大手管理会社は相手にしてくれないだろう」
「小規模なマンションの管理組合に、そんな力はない」
そんな風に考えてはいませんか?
実は、小規模マンションには、小規模マンションならではのメリットがあります。それは、意思決定が比較的しやすいこと。区分所有者の顔ぶれが分かっているため、理事会での議論がしやすく、方向性が決まりやすいという利点があるのです。
私が以前、お話を聞いたマンションも、あなたのマンションとよく似ていました。戸数は30戸ほどの小さなマンションで、理事会はいつも同じメンバー。しかし、あるきっかけで「このままではいけない」と立ち上がったのです。
そのきっかけとは、**「管理費の値上げ提案」**でした。
管理会社から提示された値上げ額に、理事会メンバーは驚きました。
「なぜこんなに上がるんだ?」
「本当にこのサービス内容に見合っているのか?」
疑問が次々と湧き出てきたのです。
そこで、彼らは初めて、管理会社の提案を鵜呑みにせず、自分たちの手で管理組合の課題を洗い出すことから始めました。
疑問を「問い」に変え、理想の管理を考える
彼らが最初に行ったのは、現在の管理会社への不満や、自分たちのマンションで本当に必要なサービスは何なのかを、理事会で徹底的に話し合うことでした。
たとえば、こんな風に。
清掃業務:
管理会社からの清掃報告書、隅々まで確認していますか?
本当に毎日清掃が必要な箇所と、週に1回で十分な箇所はありませんか?
設備点検:
毎回同じ業者に依頼していませんか?
点検費用は適正ですか?他社と比較したことはありますか?
管理員の業務:
日中、管理員さんは何をしているか把握していますか?
管理員の勤務時間や業務内容は、マンションの実情に合っていますか?
こうした「問い」を立てることで、彼らは徐々に自分たちのマンションに必要な管理の姿が見えてきたそうです。
そして、その「理想の管理」を形にするために、他の管理会社から相見積もりを取ることにしました。
「管理会社変更」は、マンションの未来を考えるプロセス
このマンションの理事長さんは、複数の管理会社と面談を重ねる中で、いくつかの驚きがあったそうです。
まず、現在の管理会社と、全く異なる提案をする会社があったこと。
「御社のマンションの規模なら、この業務はもっと効率化できます」
「管理員の業務内容を見直せば、人件費を抑えられます」
といった、具体的な改善提案を受けたのです。
次に、管理会社によって、得意な分野や専門性が違うこと。
大規模マンションの管理を得意とする会社もあれば、小規模マンションに特化し、きめ細やかなサービスを強みとする会社もありました。
そして、最終的に彼らが選んだのは、単に価格が安い会社ではありませんでした。
理事会メンバーの質問に誠実に答え、マンションの課題を共に考え、改善策を具体的に提案してくれた会社。つまり、「自分たちのマンションを、一緒に良くしていこう」という熱意を感じられた会社だったのです。
結果、彼らは管理会社を変更しました。
そして、管理会社を変更したことで、マンション全体に「自分たちでマンションを良くする」という意識が芽生え始めたそうです。
総会への参加率が上がったり、これまで発言しなかった区分所有者から意見が出たりと、マンションの雰囲気が明るくなったと言います。
最後に
いかがでしたか?
管理会社の変更は、確かに大きな決断です。
しかし、それは同時に、あなたのマンションの将来を真剣に考える、またとないチャンスでもあります。
「うちのマンションは無理だ」と諦めてしまう前に、まずは理事会の場で、今の管理会社への不満や疑問を、言葉にして共有してみることから始めてみませんか?
その小さな一歩が、きっと、あなたのマンションをより良い未来へと導いてくれるはずです。
あなたの挑戦を、心から応援しています。



