(BSテレ東)日経モーニングプラスの取材を受けました
こんにちは、マンション管理士の深山です。
マンション管理運営に熱心で多くの改革を成し遂げた理事会役員たちが、
知識・経験ゼロの新任役員に対してこの流れをどう継承していくか、、、
前回コラム「人でつなぐ、管理組合の継続性(1)」はこちら。
そこで、せっかく積み上げてきた「苦難の上の財産」を、
次期理事会へ上手に引き継いでいく方法と課題をいくつか書きます。
※なお、マンションによって適した形は異なりますのでご了承ください。
まず、引継ぎ事項を書類で整理しておくことを大前提に、、、
1.理事会役員の半数入れ替え
マンション管理業界を管轄する国土交通省でも「望ましい」としているのが、
理事会役員を全員一気に入れ替えないで、人でタスキをつなぐ方式です。
最近のマンション管理関係の書籍などにも、一番よく書かれている方法です。
理事会役員の任期は2年とし、理事の半数が1年ごとに入れ替わるというものです。
人の繋がりが続くことで、管理の歴史も継続しやすくなります。
一方、この方法にもリスクはなくはありません。
1年目の理事会役員が2年目の役員に「おんぶにだっこ」になったり、
知識経験に勝る2年目理事に遠慮してしまい、
1年目と2年目の間に微妙な温度差が生まれる可能性があります。
良くも悪くも流れが引き継がれるのも、この方式の課題です。
例えば、前年までの理事会が
「管理会社は言わないと動かないし、管理委託料は毎月定額だから、とにかく何でも指示した方が良い」
「○○号室の△△氏はクレーマーだから気をつけろ」
といった情報を新任の役員へ継続的に話すことで、
新任役員の中に「真実」と「思い込み」が混ざった状態で受け継がれることになります。
また、「任期2年は長い。負担が大きすぎる。」と主張する人もいますが、
仮に理事会が毎月あったとしても、年にたったの12回です。
戸数が少なく課題も多くないマンショ ンであれば、開催頻度は2~3ヶ月に1回でも良いです。
そうすれば、1年でたったの6回、2年で12回と思えば、それほど大変ではありませんよね。
また、任期を1年から2年にして、半数ずつ入れ替える、ということは、
毎年入れ替わる人数がこれまでの半分ですから、一度任期2年務めることで、
次に役員の順番が回ってくるまでの期間がこれまでの2倍になります。
長い目で見れば、実質的に負担は変わらない、ということなのです。
2.理事の再任制度の活用
マンション管理に関心を持つ人は、役員に就任して1年、2年と重ねるほどに、
マンション管理組合には会計(財政)、修繕、ルールマナー、コミュニティ、管理委託など、
課題が多いことに気付かされます。
またマンション理事は基本的にボランティアですし、
会社組織のように毎日集まって議論することができませんから、
どうしても取り組みに時間がかかります。
そこで、管理に関心を持った方が役員の任期満了後も継続して残れるようにしておくことが重要です。
ほとんどのマンション管理組合に備え付けられた「管理規約(マンション内ルール)」には、
役員の任期について 「任期は○年、ただし再任は妨げない」 と記載があります。
つまり再任することに障壁はありません。
(次回へつづく)
マンション管理コンサルタント メルすみごこち事務所
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