人事評価制度の作成は外部者に任せないとスムーズにできない理由
残業代をきちんと払わないとどうなるでしょうか
①労働基準監督署から是正勧告を受けます
②退職した従業員から訴えられます
金額がバカにならないので、結果として経営の屋台骨を揺るがすことになりかねません。
●労働基準監督署からの是正勧告
企業が賃金不払残業を続労働基準監督署から監督指導を受け、是正の対象となった企業で、不払い是正額が100万円を超えた企業だけで全国で1870企業にのぼっています。
1000万円の割増賃金を支払った企業も262企業あります。
厚生労働省ではインターネットへの書き込みをこまめにチェックして、該当する企業を探し出しています。そのうえで労働基準監督署に情報を提供し監督指導の対象となる企業を選んでいるようです。
残業不払いの時効は2年ですので、是正の対象にされると最長2年前までさかのぼって支払わなければならなくなります。従業員5人程度の会社でも1000万円を超えることは珍しくありません・
こうならないようにするには
(1)36協定をきちんと締結して残業できる時間を見える化する
(2)仕事の内容を見直して残業時間そのものを減らす
(3)タイムカードやパソコンを使って残業時間を記録する
(4)記録した残業時間が正しいものか責任者がチェックする
ことが必要になってきます。
●元従業員からの訴え
残業代をきちんと払わないと、どんなプロセスで訴えられるのでしょうか。典型的な例をあげてみます。
①従業員が定着しない
②従業員の中で企業の悪い面ばかりがクローズアップされはじめる
③離職者が離職者を⽣み、バックヤードで不満が噴出し連鎖し始める
④離職者が多くなり、残った従業員が休めない状況が続く(従業員に過度な負担が発⽣)
⑤後輩も連鎖退職の結果、売上減少へ
⑥退職者の穴埋めのために採用へのコストが増える
⑦最近は求人誌に掲載してもなかなか採用できない
⑧新規求人対策として額面給与のアップで対応(保障給を取り入れる等)
⑨求人広告費増と人件費増をまかなうために、休⽇労働の増加と⻑時間労働が深刻化
⑩根本的な対策がたてられないまま残業代未払いを訴えられる
●モラルダウンと総人件費のアップ
上記の訴えられるプロセスをもう一度ご覧ください。
●まとめ
現在は空前の人手不足の時代です。そして従業員の権利主張も昔とはまったく違います。
きちんと残業代を払わないと、人はやめるは、訴訟リスクは抱えるはと思わぬところで経営の屋台骨を揺るがしかねない状況に直面することになります。
行政も従業員も不払い残業支払いに対する請求はますます厳しくなってきます。
最近は不払い残業代請求代行弁護士なんて仕事もあるくらいです。
そうならないうちに、きちんと対応されることをお勧めします。
参考までに厚生労働省から、平成30年8月中頃の、「平成29年度の監督指導による賃金不払残業の是正についての公表を掲載します。
今回公表されたのは、全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成29年4月から平成30年3月までの期間に不払いだった割増賃金(不払い残業代)が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめたものです。
平成29年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント
・是正企業数→1,870企業(前年度比 521企業の増)
うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、262企業(前年度比 78企業の増)
・対象労働者数→20万5,235人(同 107,257人https://mbp-japan.com/ctrl_panel/columns/add/5000035/#floatPop2の増)
・支払われた割増賃金合計額→446億4,195万円(同 319億1,868万円の増)
・支払われた割増賃金の平均額→1企業当たり2,387万円、労働者1人当たり22万円
監督指導の対象となった企業では、その監督指導のもと、定期的にタイムカードの打刻時刻やパソコンのログ記録と実働時間との隔たりがないか確認するなど、賃金不払残業の解消のためにさまざまな取組を行い、改善を図っているようです。
厚生労働省では、引き続き、賃金不払残業の解消に向け、監督指導を徹底していくとのことです。
平成29年度の是正結果をみると、是正企業数が増加し、支払われた割増賃金の額なども大幅に増加しています。
これは、次のような取組(※)を実施するなど、監督指導・是正指導が厳しくなった結果といえるでしょう。
※厚生労働省では、委託事業により、インターネット上の賃金不払残業などの書き込み等の情報を監視、収集する取組を実施しており、労働基準監督署は、その情報に基づき必要な調査等を行うこととしている。
例)例えば、こんなケースが紹介されています。
インターネット上の情報に基づき労働基準監督署が立入調査を行った結果、その企業では、自己申告により労働時間を管理していたが、自己申告の記録とパソコンのログ記録や入退室記録とのかい離が認められ、また、月末になると一定の時間を超えないよう残業を申告しない状況がうかがわれるなど、賃金不払残業の疑いが認められた。
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