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再建築不可物件が都内で多い地区は?

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テーマ:再建築不可物件のススメ

再建築不可物件は、東京都内や横浜市、川崎市に多く存在します。昭和初期から中期にかけて、交通の便の良さから多くの居住者が狭い土地に住宅を建てたことが原因です。そしてその後、建築基準法が改正され、再建築不可と認定される住宅を大量に生み出してしまう結果になりました。

しかし本来であれば都内の住宅には手の届かなかった人たちに、再建築不可の物件は高い需要を誇っています。また2020年に控える東京オリンピックの影響を受け、国内外問わず多くの投資家からの注目を集めています。

再建築不可物件の都内における実態は?全国的にいくつ存在?

敷地が道路に接していない住宅は、全国に117万戸以上あるとされています。また幅2m未満の道路に面している住宅に至っては、230万戸以上という数字も出ています。

都市計画区域外であれば接道義務がないため、これらすべてが再建築不可物件に該当するわけではないものの、全国規模で問題化していることがわかります。

しかし、東京都区部はすべてが都市計画区域となっています。そのため集計対象となる418万戸に対し、敷地が道路に接していない住宅の約8万戸はすべて再建築不可物件に該当します。
また、幅2m未満の道路に面している住宅においては約18万戸。その一部は建築基準法42条2項道路として建築が認められていることが予想されるものの、大半の住宅が再建築不可の土地だと判断されます。

都内のどこに多いのか?密集しているその原因とは

再建築不可と判断される土地や建物が多いのは、東京都では練馬区や江戸川区、板橋区、品川区、新宿区です。横浜市や川崎市にも多く存在するものの、東京ほど密集している地域は他にありません。

しかし、なぜこんなにも再建築不可物件が密集してしまったのでしょうか?東京都内や横浜、川崎という地域は、いわゆる「人口集中地帯」とされます。交通の便の良さから、人気が高く、多くの居住希望者が狭い土地を買い漁り、住宅の建築ラッシュが急速に進行しました。

そのため昭和初期から中期にかけて建てられた築古住宅が、昭和54年の建築基準法の改正を受けて厳しくなった接道義務や規制に引っかかってしまったのが原因です。現在となっては防災上や安全確保のために建て替えが必要な住宅が、再建築不可になってしまい、大きな問題を抱えています。

東京オリンピックの影響を受けて投資家が注目

都内に多く存在する再建築不可物件は、建て替えができないにも関わらず、多く取引されています。

都内23区となれば、マンションや一戸建ては数千万円するのが当たり前です。そのため年収が500万円以上あっても、頭金が1~2割程度あっても、住宅購入を諦める方も少なくありません。そんな状況下、安く売買される再建築不可物件は、人気を集めています。

また現在、2020年開催の東京オリンピックに向けて、不動産価格が上昇しているため、都内の不動産も大きな影響を受けています。そのため従来の購入層以外にも、国内・国外の投資家からも大きな注目を集めています。

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