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再建築不可物件の建て替えではなく刷新する方法

青沼理

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テーマ:再建築不可物件のススメ

再建築不可物件において、新築物件同様に住宅を蘇らせる方法として知られるのが「スケルトンリフォームで」す。柱や骨組みだけを残し、全面的なリフォームを行う方法です。
しかし、建て替えが禁止されている中、この方法は自己責任による部分が大きいといえます。万が一のことが起こった際のリスクは、すべて自分に降りかかってきます。
そのため正規のルートを通って、建築可能な状態にすることや、物件を都度リフォームし、維持・管理していくことが、結局のところ、安全で快適な住宅を手に入れる近道となってきます。

リフォームの際には耐震補強が重要

再建築不可物件は、増築や改築、建て替えといった建築行為が禁止されています。そのため、住まいに手を加える際も、もともとあった建物を利用してリフォームするといった選択肢を取ることになります。

これまでのコラムでもお伝えしてきましたが、リフォームすることは建築には当てはまりませんので、軸組みや外装、内装を補修することはできます。

1981年以前の旧耐震基準の建物である場合もありますので、こういった物件のリフォーム・改修の際には、耐震補強を施しておくことが重要です。

再建築不可物件のスケルトンリフォームの過大解釈はNG

そもそも再建築不可とは、更地にした状態からの再建築ができないという意味です。そのためスケルトンリフォームなどは、形式上は問題がないように感じます。

しかし、ここで注意が必要なのは、このような大規模な改修工事は「NG行為」に等しいということです。本来は、必要な箇所をその都度リフォームして住み続けるために、リフォーム・改修行為が認められているのです。

それを過大解釈し、スケルトンリフォームをうたい、大規模改修を行っている業者も多く存在します。しかし違法建築物と判断されてしまえば、工事の中止や使用制限・停止の是正命令も想定されます。「たくさんの業者が行っているから」と安心するのではなく、あくまでも自己責任のもとで行う全面リフォームだという認識が必要です。

再建築不可物件、可能物件どちらも定期的なメンテナンスは必要

再建築不可能物件は「買ってはいけない」「住んではいけない」などという、誤った認識を持っている方も少なくありません。もちろん当初から、水まわりや床下のシロアリチェックに引っかかってしまうような物件は好ましくありません。

しかし構造上の問題がないようであれば、再建築不可能物件も可能物件も、定期的なメンテナンスのもと、維持・管理を行わなければいけない点は同じです。

また、ダメもとで隣地との交渉をしてみることで、接道部分を売却してもらえる可能性も残されています。建築要件を満たすことで、建て替えができるだけではなく、土地の価値自体も跳ね上がります。大手が広告を打っているのだから、暗黙の了解で行けるだろうという判断はせず、正規のルートで物件を蘇らせることが、結局のところ近道となってきます。

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