個人の強みを伸ばし、生きるために必要な力を養う学習塾（2/3）

テストで点数を取る以上に大切な学びがある

　現在、同塾の板野教室長として活躍している原田さん。実は、小学2年生から高校3年生までの約10年間を未来舎で過ごしています。

「私は『勉強すること』はあまり好きではありませんでした。テストの点もよくはなかったし、家や学校でもよく怒られました。しかし、未来舎ではテストの点数が悪いからといってとがめられることはなく、むしろ良いところを見つけてほめてくれる、やっていることを認めてもらえる環境があり居心地が良かったですね。そういった環境の中で『勉強すること』は嫌いでも、自分が興味を持ったことを『学ぶこと』は好きなんだと気がつきました。自ら求めて学ぶことは、テストでいい点を取るよりも役に立つことが多いと思いました」

　自分自身の経験を通じて「子どもたちに学ぶ喜びを感じてほしい。世の中には、テストの点数だけでは測れないことがある」という思いを伝えたいと語る原田さん。

　高校卒業後に香川大学教育学部へと進み、学校教育、学科などについて専門的な知識を培った原田さんは「『学ぶこと』、そして『学びから得たもの』は、かけ離れた世界のことではない。自分たちが生きる毎日に深く結びついている」ということに気づき、おもしろさが増したと言います。

　そして、担当している理科・数学を教える際には、教科と日常をつなげることを意識しているそう。「例えば理科の授業では『ダイコンが、葉に近い上の部分と先端の部分で味が違うのはなぜだろう』というところから始めます。これは国語の教科書にも出てくる話で、子どもたちがイメージしやすいものを例に挙げることで興味を引き出しやすくなります。教えながら、理科をやっている、数学をやっているという感覚はありません。子どもたちも『全ての教科と生活がつながっている』といった新たな発見に驚いています」

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【次ページ】「勉強している」を「学んでいる」に変える

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