子どもの学力は家庭での会話で変わる?今日からできる親子のコミュニケーション
「また計算ミスしてる」
「問題をちゃんと読めば分かったのに」
「答えは分かっていたのに、単位を書き忘れている」
テストが返ってきたとき、このような間違いを見つけたことはないでしょうか。
子ども本人に聞くと、
「分かってたけど間違えた」
「ただのケアレスミス」
と言うこともあります。
保護者の方も、
「次はちゃんと見直しなさい」
「もっと気をつけなさい」
と声をかけるかもしれません。
もちろん、一度だけのミスならそれでもいいでしょう。
しかし、毎回のように同じようなミスを繰り返しているのであれば、
本当に「気をつける」だけで解決するのでしょうか。
未来舎で子どもたちを見ている中で、以前から少し気になっていることがあります。
それが、
ケアレスミスが多い子とスマホの使い方
です。
「またケアレスミス!」本当に気をつけるだけで直る?
ケアレスミスといっても、
実際にはいろいろあります。
例えば数学なら、
符号を見落とす。
途中の計算を飛ばして間違える。
問題文の条件を読み落とす。
「正しいものを選びなさい」なのに、
間違っているものを選ぶ。
理科や社会なら、
漢字を間違える。
単位を書き忘れる。
資料の数字を読み違える。
英語なら、
三単現の「s」を忘れる。
疑問文なのに語順を変え忘れる。
こうした問題を見ると、
「本当は分かっていたのだから大丈夫」
と思ってしまいがちです。
しかし、
テストでは正しい答えを書かなければ
点数にはなりません。
特に基礎学力テストや高校入試では、
「分かっていたのに落とした1点」も、
「分からなくて落とした1点」も、
同じ1点です。
だから私は、
「ケアレスミスだった」で終わらせないことが
大切だと考えています。
未来舎で気になっている「ケアレスミスとスマホ時間」
未来舎で生徒たちを見ている中で、
以前から気になっていることがあります。
それは、
ケアレスミスが多い生徒に話を聞いてみると、
スマホを長時間使っているケースが少なくない
ということです。
ただし、
ここは誤解のないようにして
おきたいと思います。
これは、
未来舎で子どもたちを見てきた中で
感じている傾向です。
「スマホを長時間使ったからケアレスミスが増えた」
と証明できるものではありません。
スマホを長時間使う子は睡眠時間が
短くなっているかもしれませんし、
もともと集中を維持することが
苦手な子ほどスマホを頻繁に触る可能性もあります。
それでも、
「スマホの使い方と集中力には、何か関係があるのだろうか?」
と気になったため、
研究についても調べてみました。
研究ではスマホと「注意をコントロールする力」の関係も調べられている
2026年3月に医学誌「JAMA Network Open」に掲載された研究があります。
11~18歳の79人を対象に、
実際のスマートフォンの利用状況を調べた研究です。
その結果、
対象となった子どもたちは学校にいる時間帯に、
平均で約64回スマートフォンを確認していました。
そして、
スマートフォンを確認する回数が多いことと、
「認知制御」と呼ばれる注意や行動をコントロールする力が低いこと
との間に関連が確認されました。
興味深いのは、
単純なスマホの総利用時間よりも、
「何度もスマホを確認すること」
との関連が確認された点です。
ただし、この研究だけから、
「スマホを頻繁に見るから集中力が落ちる」
と断定することはできません。
この研究は一時点で関係を調べた研究であり、
研究者自身も、
注意をコントロールすることが苦手な子ほど
スマホを頻繁に確認している可能性について触れています。
また、
2025年に発表された、
9か国・計23万人以上の子どもを含む10研究をまとめたレビューでも、
多くの研究で過度なICT利用と、
注意、ワーキングメモリ、抑制制御などの実行機能との関連が
報告されています。
一方で、
明確な関連が確認されなかった研究もあり、
睡眠、家庭での関わり方、使っているコンテンツなども
関係するとされています。
つまり現時点では、
「スマホ=ケアレスミスの原因」
と単純に決めつけることはできません。
ただ、
子どもの集中について考えるうえで、
スマホの使い方は一度確認してみる価値があると私は考えています。
テストでは「一つのことに集中し続ける時間」が必要
ここからは、
研究結果そのものではなく、
日々子どもたちを指導している中で私が感じていることです。
スマホを使っていると、
メッセージを確認する。
SNSを見る。
短い動画を見る。
別の動画を見る。
ゲームをする。
また通知を確認する。
というように、
短い時間で次々と見るものを
切り替えることがあります。
一方、テストではどうでしょうか。
問題文を読む。
条件を確認する。
必要な情報を頭に置いておく。
式を考える。
計算する。
答えを書く。
そして見直す。
一つの問題を解くだけでも、
ある程度の時間、
目の前の問題に注意を向け続ける必要があります。
そこで私は、
普段の生活の中で
「一つのことだけに集中する時間」
がどのくらいあるのか
も考えてみてほしいと思っています。
勉強を始めても10分後にスマホを見る。
問題を数問解いたらSNSを見る。
通知が鳴るたびに画面を確認する。
そのような状態になっているのであれば、
勉強時間そのものだけではなく、
「集中が何回途切れているか」
にも目を向けてみてはどうでしょうか。
ケアレスミスが多い子は、まずスマホとの距離を確認してみる
私は、この記事を読んだからといって、
「今日からスマホ禁止!」
にする必要はないと思っています。
スマートフォンは連絡手段にもなりますし、
調べ物や学習に役立つこともあります。
大切なのは、
スマホを持っているかどうかではなく、
どのように使っているかです。
例えば家庭で、次のようなことを一度確認してみてください。
・勉強中、スマホが机の上に置かれていないか
・通知が来るたびに確認していないか
・問題を数問解くたびにスマホを触っていないか
・寝る直前までスマホを見ていないか
・本人が1日に何時間使っているのか把握しているか
そのうえで、まずは勉強する30分や1時間だけでも、
スマホを手の届かない場所に置いて、
一つのことだけに取り組む時間を作る
ところから始めてもいいと思います。
「触らないように頑張る」より、
最初から別の部屋に置いたり、
保護者が預かったりして、
触らなくても済む環境を作る方が
取り組みやすい子もいます。
特に高校受験を控えた中学3年生については、
以前の記事でもスマホとの距離について書いています。
【高校受験】中3の2学期からスマホは親が預かってほしい―夏期講習を終えて感じたこと
https://mbp-japan.com/tokushima/miraisha1994/column/5233695/
また、
「そもそも子どもにスマホが必要なのか?」については
こちらで考えています。
【子どもとスマホ】どうしてスマホ?キッズケータイではダメですか?
「ケアレスミスだから仕方ない」で終わらせない
テストでケアレスミスがあったとき、
「次は気をつけよう」
だけで終わらせるのではなく、
「なぜ、このミスが起きたのだろう?」
と一度考えてみてください。
知識が足りなかったのか。
問題文の読み方に問題があったのか。
途中式を書かなかったからなのか。
時間が足りず焦ったのか。
睡眠不足だったのか。
それとも、
普段から一つのことに集中する時間が少なくなっているのか。
原因によって対策は変わります。
そしてスマホについても、
「スマホが悪い」と決めつけるのではなく、
「この子の集中を邪魔する使い方になっていないか」を見ること
が大切だと思います。
ケアレスミスは、
「分かっていたから大丈夫」で
済ませてしまいやすい失点です。
しかし見方を変えれば、
本来なら取れた可能性のある点数
です。
だからこそ、
未来舎では点数だけではなく、
答案を見ながら、
「なぜ間違えたのか」
「同じミスを繰り返していないか」
「勉強するときの環境に問題はないか」
まで考えることを大切にしています。
「勉強しているのに点数が伸びない」
「分かっているはずなのにミスが多い」
「スマホとの付き合い方を含めて、家庭学習を見直したい」
そんな方は、未来舎のホームページもご覧ください。
未来舎ホームページはこちら
【参考資料】
JAMA Network Open「Smartphone Use During School Hours and Association With Cognitive Control in Youths Aged 11 to 18 Years」
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2846017?utm_source=chatgpt.com
「How Is the Digital Age Shaping Young Minds? A Rapid Systematic Review of Executive Functions in Children and Adolescents with Exposure to ICT」
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12109849/?utm_source=chatgpt.com


