相談することは、弱さではなく整理する力です

こんにちは。
薫風堂の下坪です。
心が疲れている時、人は無意識のうちに緊張しています。
肩に力が入る。
呼吸が浅くなる。
頭の中で同じことを何度も考える。
人の言葉に敏感になる。
小さなことにも身構えてしまう。
本当は休みたいのに、うまく休めない。
こうした状態が続くと、心も身体もこわばっていきます。
薫風堂では、アロマセラピーとメンタル・カウンセリングを活用したメンタル・ケアを行っています。
それは、心の病を治療するものではありません。
医療行為でもありません。
薫風堂が大切にしているのは、心が弱りきる前に、張りつめた緊張を少しゆるめ、自分の状態に気づくための時間です。
そのための手がかりになるのが、香りと対話です。
心の緊張は、身体にも表れます
心の緊張は、気持ちだけの問題ではありません。
不安が続いている時。
気を張り続けている時。
誰かに合わせ続けている時。
やることに追われている時。
言いたいことを飲み込んでいる時。
そうした時、身体にも緊張が表れることがあります。
肩や首がこる。
背中が張る。
呼吸が浅くなる。
眠りが浅くなる。
胃のあたりが重く感じる。
表情が硬くなる。
疲れているのに、身体の力が抜けない。
もちろん、こうした不調にはさまざまな原因があります。
強い症状や長く続く不調がある場合は、医療機関に相談することが大切です。
ただ、心が緊張し続けている時に、身体も一緒にこわばることは珍しくありません。
「気持ちの問題だから我慢すればよい」という話ではないのです。
心と身体は、思っている以上につながっています。
香りは、緊張に気づくきっかけになる

香りを感じる時、人は自然と呼吸に意識を向けます。
ふっと香りを吸い込む。
少し息を止める。
ゆっくり吐く。
それだけでも、今の自分の状態に気づくことがあります。
「こんなに呼吸が浅かったのか」
「肩に力が入っていたのか」
「ずっと急いでいたのか」
「自分はかなり疲れていたのかもしれない」
香りそのものが、すべての問題を解決するわけではありません。
香りを使ったからといって、仕事の締切が消えるわけではありません。
家族の問題が自動的に片づくわけでもありません。
精油の瓶を振ったら悩みが消える、というほど世の中は親切設計ではありません。
けれど、香りは「一度立ち止まる」きっかけになります。
忙しさや不安の中で、自分の状態を見失っている時に、香りが呼吸を思い出させてくれることがあります。
心がこわばっていると、言葉も出にくくなる
心が緊張している時、自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。
何がつらいのか分からない。
何に疲れているのか分からない。
怒っているのか、悲しいのか、寂しいのかも分からない。
ただ、何となく苦しい。
ただ、何となく重い。
そういう時に、いきなり「どうしましたか」「何が問題ですか」と聞かれても、答えに困ることがあります。
心が硬くなっている時には、言葉も硬くなります。
本当は話したいことがあるのに、出てこない。
話そうとすると、涙が出そうになる。
自分でもまとまっていないから、話してはいけないような気がする。
けれど、最初からきれいに話す必要はありません。
むしろ、まとまっていないものを少しずつ言葉にしていくことが、相談やカウンセリングの大切な意味です。
香りでゆるみ、対話で整理する
薫風堂では、香りと対話を組み合わせることを大切にしています。
香りによって、少し呼吸が深くなる。
肩の力が抜ける。
張りつめていた心身が、少しだけゆるむ。
その状態で、今の気持ちを少し言葉にしてみる。
「最近、何となく疲れています」
「家族のことが気になって休まりません」
「仕事の細かいことが頭から離れません」
「特に大きな問題はないはずなのに、元気が出ません」
「誰かに話すほどではないと思っていたけれど、ずっと気になっていました」
そうして話していくうちに、自分が何を抱えていたのかが見えてくることがあります。
香りは、心を無理に開かせるものではありません。
対話は、無理に答えを出させるものでもありません。
香りでゆるみ、対話で整理する。
それが、薫風堂のメンタル・ケアの基本的な考え方です。
対話は、正解を押しつける時間ではありません

相談やカウンセリングというと、何か正しい答えを教えてもらう場だと思われることがあります。
もちろん、必要に応じて考え方や整理の視点をお伝えすることはあります。
けれど、薫風堂で大切にしたいのは、正解を押しつけることではありません。
人の悩みや疲れは、簡単に一つの答えで片づくものばかりではありません。
家族のこと。
仕事のこと。
人間関係のこと。
自分の性格や考え方のこと。
これからの暮らし方のこと。
そこには、その人なりの事情や背景があります。
だからこそ、まずは話を聴くことが大切です。
話しながら、自分の中にあるものを見つめる。
言葉にしてみる。
少し距離を置いて眺める。
何が本当に負担だったのかを確認する。
対話は、誰かに裁かれる時間ではありません。
自分の心の中を、少しずつ整理していく時間です。
「話すこと」と「香りを感じること」は似ている
話すことと、香りを感じることは、まったく別のようでいて、少し似ているところがあります。
どちらも、自分の内側に目を向けるきっかけになります。
香りを感じる時、
「この香りは好き」
「今日は少し重く感じる」
「懐かしい感じがする」
「落ち着く」
「今はあまり受けつけない」
そうした感覚が出てきます。
話す時にも、
「これは怒りだと思っていたけれど、実は悲しさだった」
「本当は寂しかったのかもしれない」
「ずっと我慢していたことに気づいた」
「休みたいと言えなかっただけかもしれない」
というように、自分の内側にあるものが少し見えてきます。
香りも対話も、自分を責めるためのものではありません。
今の自分に気づくためのものです。
心の緊張をゆるめるには、安心できる場が必要です
心の緊張は、「力を抜いてください」と言われただけで簡単に抜けるものではありません。
むしろ、力を抜かなければと思うほど、力が入ってしまうこともあります。
心がゆるむためには、安心できる場が必要です。
急かされないこと。
否定されないこと。
話がまとまっていなくてもよいこと。
沈黙があってもよいこと。
無理に前向きにならなくてもよいこと。
そうした場があると、人は少しずつ緊張をゆるめやすくなります。
香りも、その場の安心感を支える要素のひとつになります。
やわらかな香り。
静かな空間。
落ち着いた呼吸。
話してもよいと思える時間。
そうしたものが重なることで、心のこわばりが少しほどけることがあります。
緊張をゆるめることは、甘えではありません
心の緊張をゆるめるというと、どこか「甘いこと」のように感じる方もいるかもしれません。
しかし、緊張し続けることは、心にも身体にも負担をかけます。
常に気を張る。
我慢する。
人に合わせる。
間違えないようにする。
迷惑をかけないようにする。
自分の気持ちを後回しにする。
それを続けていると、心の余白は少しずつ減っていきます。
緊張をゆるめることは、怠けることではありません。
自分を整えることです。
張りつめた糸は、強そうに見えても切れやすいものです。
少しゆるみがある方が、長く保てます。
人の心も同じです。
医療が必要な場合もあります
ただし、強い不眠が続いている、食事が取れない、日常生活に大きな支障が出ている、強い不安や絶望感がある、自分を傷つけたい気持ちがある。
このような場合は、医療機関や専門の相談窓口につながることが必要です。
薫風堂のメンタル・ケアは、医療行為ではありません。
心の病を診断したり、治療したりするものではありません。
香りや対話は、心を整えるきっかけにはなります。
けれど、医療の代わりではありません。
必要な時に、適切な専門機関につながることも、自分を守るための大切な選択です。
香りと対話で、自分に戻る時間を持つ

日々の生活の中で、私たちはたくさんの役割を担っています。
家族の中での役割。
仕事での役割。
地域や人間関係の中での役割。
誰かを支える役割。
きちんとしていなければならない役割。
そうした役割を果たすことは大切です。
けれど、役割を担い続けているうちに、自分自身の感覚が後回しになることがあります。
本当は疲れている。
本当は少し休みたい。
本当は誰かに話したい。
本当は、もう少し楽に息をしたい。
その声に気づくために、香りと対話が役立つことがあります。
香りを感じる。
呼吸を整える。
身体の緊張に気づく。
今の気持ちを少し言葉にする。
話しながら、自分の心の中を整理していく。
それは、大げさなことではありません。
けれど、心が弱りきる前に自分を整えるための、大切な時間です。
薫風堂では、香りと対話を通して、心の緊張を少しゆるめ、自分自身に戻るお手伝いをしています。
心が硬くなっている時ほど、まずは少し呼吸をゆるめることから。
そして、言葉になりきらない気持ちを、少しずつ整えていくことから。
香りと対話で、心の緊張をゆるめる。
それは、日々をより穏やかに過ごすための、ひとつのメンタル・ケアの形です。


