正解のない時代にキャリアを創造する【第4回】人材版伊藤レポートとは?人的資本経営との関係をわかりやすく解説

シリーズ「正解のない時代にキャリアを創造する」では、人的資本経営についてもお伝えしてきました。
人的資本経営とは、従業員を単なる労働力やコストとしてではなく、企業の成長を支える重要な資本(投資先)として捉える考え方です。
経営者向けの話題として語られることが多いテーマですが、私はキャリア支援の立場から見ると、人的資本経営は企業だけの問題ではなく、働く一人ひとりにも関係する考え方だと感じています。
では、私たちは何を意識すればよいのでしょうか。
私はそのヒントの一つが「好き嫌い」にあると考えています。
キャリアにおける「好き嫌い」
「好き嫌い」というと、食べ物を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかしキャリア支援の現場で私が扱うのは、仕事や人生における好き嫌いです。
- どのような仕事に興味を持てるのか
- どのような働き方を心地よく感じるのか
- どのような人と協力したいのか
- どのような価値観を大切にしたいのか
こうしたものは、人によって大きく異なります。
変化の少ない時代であれば、「みんなと同じ」であることが安心につながったかもしれません。しかし変化が激しく、正解が見えにくい時代においては、自分自身の価値観を理解することが以前にも増して重要になっています。
なぜ人的資本経営で「好き嫌い」が重要なのか
企業が成長していくためには、多様な人材の力を活かすことが求められています。
そのためには、一人ひとりが何を得意とし、何に興味を持ち、どのような場面で力を発揮できるのかを理解する必要があります。
また、学び直し(リスキリング)についても同様です。
新しい知識やスキルを身につけることは大切ですが、興味や関心を持てない分野を無理に学び続けることは簡単ではありません。
反対に、自分が面白いと感じることや価値を感じることには、人は自然とエネルギーを注ぐことができます。
私はキャリア支援の中で、「何を学ぶか」だけでなく、「なぜそれを学びたいと思うのか」を一緒に考えることを大切にしています。
まずは自分の価値観に気づくことから
人的資本経営という言葉は経営の話に聞こえますが、その出発点は意外にシンプルです。
それは、自分自身が何を大切にしているのかを知ることです。
- 好きなこと、苦手なこと。
- これまで経験してきたこと、得意だと思えること。
- とにかくやってみたい、やりたいと感じていること。
- 苦労してもやり遂げる価値があると思えること。
こうした「好き嫌い」を整理することは、決してわがままになることではありません。
むしろ、自分らしいキャリアを考えるための重要な手掛かりになります。
企業が従業員の個性を活かそうとする時代だからこそ、私たち自身も自分の価値観を理解し、言葉にできるようになることが求められているのかもしれません。
人的資本経営と「好き嫌い」の関係については、自社サイトの連載コラムでさらに詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。


