新社会人へ「仕事が自分の中に入る」ということ

現在、多くの中小企業が「人手不足」に悩んでいます。
求人を出しても応募が来ない。
採用しても定着しない。
管理職が忙しく、育成の余裕もない。
こうした状況は、今や多くの企業で共通する課題となっています。
実際、『中小企業の人手不足の実態〜現状、対応、人材確保の取り組み〜』(2026年5月、フォーバルGDXリサーチ研究所調べ)では、調査対象企業の44.1%が「人手不足は経営課題である」と回答しています。
その対策として多く挙げられているのは、
- 採用活動
- 業務の外部委託
- 離職防止・定着率向上
などです。
しかし現在は、「採用したくても採用できない」という状況も広がっていることも、このレポートでは報じられています。人手の確保に苦労している経営者さんの感覚とも合致するのではないでしょうか?
人材版伊藤レポートの視点は即効性ではなく持続性
このような現状に対して「人材版伊藤レポート」から読み取れる戦略は、持続性や発展性を目指したものです。以前のコラムでお伝えしている通りこのレポートでは、人を単なる労働力ではなく、「企業価値を生み出す資本」として捉える考え方が示されています。
つまり、人手不足に対して単に外部から人を補うだけではなく、
- 一人ひとりの能力を高める
- 業務範囲を広げる
- 主体性を引き出す
- 生産性を向上させる
という視点に立った考え方です。人に対する投資である以上、そのリターンが得られるまでには、時間が掛かるということになります。
人材版伊藤レポートが提唱する「3P・5Fモデル」
人材版伊藤レポートでは、「3つの視点と5つの共通要素」として「3P・5Fモデル」という考え方が示されています。具体的には
3つの視点(3P)
- 経営戦略と人材戦略の連動
- As is - To beギャップの定量把握
- 人材戦略の実行プロセスを通じた企業文化への定着
5つの共通要素(5F)
- 動的な人材ポートフォリオ、個人・組織の活性化
- 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
- リスキル・学び直し
- 従業員エンゲージメント
- 時間や場所にとらわれない働き方
内容は専門的ですが、共通しているのは、「時間をかけて組織を強くしていく」という視点です。そして長期的には
- 離職防止
- 定着率向上
- 主体性向上
などにつながることでしょう。
人手不足時代に求められる視点
これからの中小企業では、「どう採用するか」
だけではなく、「今いる人が、どう力を発揮できるか」
という視点も、ますます重要になっていくでしょう。「正解のない時代」「予測不能な時代」には、状況の変化に対してその時必要な人材を確保するだけで対応するには、限界もあるはずです。
この状況は人材版伊藤レポートが直接対象としている大手企業だけでなく、中小企業にとっても変わることはないでしょう。
次回は、今回ご紹介した「3P・5Fモデル」について、さらに詳しくお伝えいたします。
本コラムは弊社ウェブサイトでも紹介しています。内容を少し充実させていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
弊社ウェブサイトコラム
正解のない時代にキャリアを創造する
【第5回】「人材版伊藤レポート」から読み解く人手不足解消のヒント


