遺言なしの不動産相続における登記に関する必要書類
相続などによって財産を取得した場合、その総額が基礎控除額を超える場合には相続税の申告が必要です。
また、相続によって不動産を取得した場合、土地や建物は大切な財産ですので、所有権を確たるものとするために、所有権移転登記を行うことが一般的です。この時にかかる税金が登録免許税です。
登録免許税とその計算方法
登録免許税は国税のひとつです。
土地や建物の所有者の情報等を登記簿に登録することを登記といいます。登録免許税は、登記を受けることによって生じる利益に対して課されるものです。金額は、登記される不動産の固定資産税評価額に税率を掛けて求めます。
相続による所有権移転登記の場合、登録免許税の税額は「固定資産税評価額×税率0.4%」で求められます。
相続税には基礎控除がある
相続によって財産を取得した場合、相続税がかかりますが、すべての人にかかるわけではありません。遺産総額が基礎控除を超える場合にだけ、申告書を提出しなければなりません。現在、基礎控除は「3000万円+法定相続人の数×600万円」となっており、この範囲内なら相続税はかかりません。
たとえば法定相続人が妻と子一人の場合、「3000万円+2×600万円=4200万円」となり、親子の遺産総額が4200万円に達していなければ、相続税は課税されないことになります。
相続税の計算方法
遺産とは、預貯金だけではなくお金に換算できるものはすべて課税対象となります。たとえば、不動産、生命保険、車、貴金属、借地権、絵画、骨董などです。さらに死後発生する生命保険なども、相続人が受取人となっている場合は対象となります。
借金、未払いの税金などもマイナスの財産として相続の対象となります。さらに相続時精算課税制度によって贈与された財産や、死亡前3年以内に贈与された財産も遺産総額に加算します。
ただし、すでに贈与税を課税されている場合は、二重課税を防ぐために納めた贈与税分は控除されます。また葬式費用も控除され、相続人が負担した分を差し引くことができます。
相続税の計算方法
相続税は少し変わった計算の仕方で求めます。ざっくり言うと、遺産全体にかかる税額を、各人に振り分けるというやり方です。次のような手順で行います。
始めに課税される財産の総額を求めます。
プラスもマイナスも含めた遺産総額を求め、基礎控除額を引いたものが課税価格となります。
その手順は次の通りです。
(1)各人の課税価格を計算する
※この時は実際の遺産相続の割合にかかわらず、法定相続分で分けたものとして、各相続人の取得金額を出します。
(2)各人の相続税額を出す
※(1)に税率をかけたものが相続税です。税率は国税庁のホームページにある「相続税の速算表」によります。
(3)相続税の総額を求める
※(2)で求めた各人の相続税額を合計したものが相続税の総額です。
(4)各人の納付税額を計算する
※(3)で求めた相続税の総額を、実際に各相続人が取得した割合に応じて按分します。
その後、各人にあてはまる控除を行った結果、納税額が出た人が納税義務者となります。ちなみに配偶者は1億6000万円の「配偶者控除」が使えます。