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藪﨑秀實

不動産や相続の悩みに応える認知症対策と家族信託のプロ

藪﨑秀實(やぶさきひでみ) / 宅地建物取引士

株式会社 あいしん不動産

コラム

不動産を相続する場合の流れと必要な手続きについて

2017年12月7日

テーマ:不動産相続

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 相続 手続き

相続は人生においてそう何度も発生するものではありませんので、何からはじめたらいいのかわからない方も多いと思います。

不動産の相続登記手続きは、不動産を所轄する法務局で行う必要があります。相続発生からそれまでの流れを簡単にご説明いたします。

遺言書の有無確認

人は、自らの財産を誰に承継させるかを遺言によって指示することができます。

民法では遺言は最優先されますので、まず遺言があるかどうかを確認しましょう。公正証書で遺言を作成している場合は、公証役場に保管されています。
自筆の遺言がある場合は家庭裁判所で遺言書検認の手続きを行います。

相続人の確定

亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本等の書類をもれなく集め、相続の対象となる法定相続人を調査し、相続関係説明図を作成します。

非嫡出子等の確認をしなければ、最終的な法定相続分も確定しません。

相続財産の調査・確定

承継される財産は現金、有価証券、不動産などのプラスの財産だけではありません。

借入金、未納の税金などマイナスの財産も含まれます。

プラスもマイナスも含めて財産の総額を把握する必要があります。そのうえで財産が多く相続税が発生する場合は、相続の発生から10カ月以内に相続税の申告が必要です。

また、プラスの財産は相続して借金は承継しないということは原則できません。ただし、相続発生後3カ月以内であれば、家庭裁判所に申述することで、相続放棄や限定承認(プラスの財産の範囲内でマイナス財産を相続)をすることができます。

遺産分割協議

遺産の分割は、遺言があれば遺言に従い、なければ民法に定められた法定相続分に従うのが原則です。

ただし、相続人全員の合意があれば、自由に分割できます。相続人同士による遺産分割の話し合いを遺産分割協議といいます。

相続人全員の参加と合意が必要で、相続人に未成年がいる場合は、利益を相反しない第3者を特別代理人に選任する必要があります。

協議の結果については、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名、押印をします。作成する目的は次の通りです。

〇協議内容を明確にするため
〇後々のトラブルを防ぐため
〇相続登記手続き、名義変更手続き、相続税の申告に使用するため

相続登記・不動産名義変更の申請

遺産分割協議書を作成したら、それぞれの財産の名義変更手続きに入ります。不動産の名義変更は管轄する法務局へ相続登記の手続きを申請します。

必要な書類は次の通りです。

〇遺産分割協議書
〇被相続人の除籍謄本
〇固定資産税評価証明書
〇全相続人の戸籍謄本
〇全相続人の印鑑証明書
〇全相続人の住民票

手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。

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