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相続の応用編

井原右治

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テーマ:相続の知識は大事!

この前は相続の基本について勉強しましたが、今日は相続についてもう少し深く勉強してみしょう。

子は相続の第1順位となりますが、養子の場合はどうでしょうか。その前に養子について簡単に説明させていただきます。養子には普通養子と特別養子があります。みなさんがよく聞く養子は普通養子の方だと思います。代表的なのは男性が嫁の家の婿となり、嫁の父母と養子縁組をするケースです。養子縁組することによって嫁の父母が亡くなった場合も財産を相続できます。(婿に入ってもらったお礼のようなものですね。)もちろん、この男性は自分の父母の財産も相続できます。つまり普通養子とは実父母の親子関係を残したまま、養父母との親子関係を作るということです。一方、特別養子は実父母との親子関係を断ち切り、養父母との親子関係を作るということです。よって特別養子の場合、実父母の財産は相続できません。特別養子縁組とは、児童福祉のための養子縁組の制度で、様々な事情で育てられない子供が家庭で養育を受けられるようにすることを目的に設けられた制度であるため、実父母の親子関係が断ち切られるわけです。よって特別養子となるものは原則15歳未満の子供となります。(以前は6歳未満の子供でした。)

この養子でよく間違えるのが、相続税計算上の法定相続人の数です(基礎控除は3000万円+600万円×法定相続人の数)。普通養子の場合、被相続人に実子がいる場合、この数に入れることができるのは1人までです。被相続人に実子がいない場合は2人までです。(養子を無制限に認めると、相続税の基礎控除額を増やすために養子を増やすといったことができてしまうため、税法上は養子の数に制限を設けています。)しかし民法上は何人でも養子にできます。この点は特に注意してください。特別養子は実子とみなされるので、税法上の養子の数の制限には該当しません。あと普通養子でも、配偶者の実子で、被相続人の養子となった場合と代襲相続人で被相続人の養子となった場合は養子の数の制限には該当しません。

雑談ですが、サスペンスドラマでは、この養子の数を原因とした殺人事件がよく描かれています。養子になったが、養父が次々と養子縁組したため、養子の数の制限で自分は養父から財産を相続できないと考え、他の養子を殺害するというようなストーリーです。でも、先ほどもお話しましたが、養子の数の制限は税法上のことであり、民法上は上限がありませんので、この人も殺人を犯す必要はなかったのです。

ところで実際に遺産を相続人にわける時には、遺産分割協議書を作ります。(必ず作成しなければいけないものではありませんが、所有権の移転登記をするさいには、必ず必要となります。)遺産分割協議書で財産を放棄するケースはよくありますが、この場合、負債は放棄することはできません。負債を放棄するためには家庭裁判所に手続き(3か月以内)をしなければいけません。相続の放棄はこのように2種類ありますので、特に注意してください。

今日の内容はいかがでしたか。少し難しかったでしょうか。今後も相続について一緒に勉強していきましょう。

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井原右治
専門家

井原右治(ファイナンシャルプランナー)

株式会社Rightプランニング

銀行や信用保証協会での豊富な融資の経験と、現役しじみ漁師としての自営業者の視点を、住宅購入や相続、家計見直しや中小企業の経営支援に生かしています。お客様の好きなことを諦めないライフプランを提案します。

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