Q「子どもを認める」ってどういうことですか?
「簡単なことの繰り返しで、能力は定着する。」
これは私が、
教室の保護者さまに何度も何度もお伝えしてきたことです。
なぜなら、
子どもの力は“特別なこと”で伸びるのではなく、
土台の上に、同じ動きを重ねていくことで育っていくからです。
たとえば、こんな場面があります。
年中さんが「入室したい」と来られたとき、
私はあえて
「年少クラスからスタートしましょう」
とお伝えすることがあります。
すると多くの場合、
空気が少しピリッとします。
ご両親の
表情が固くなっていきます。
……きっと、こう感じておられるのだと思います。
「うちの子、低く見られたのかな」
「もう年中なのに、年少からなんて…」
でも、
ここが誤解されやすいところなのです。
私がクラスを一つ下げてご提案するのは、
評価でも否定でもありません。
むしろ逆で、
“本気で伸ばしたい”と思うからこそです。
土台が少しでも揺れている状態で、
いきなり難しいことを積み上げると、
子どもはどこかで苦しくなります。
できるように見えても、
実は不安定。
理解しているように見えても、
心が追いつかない。
だからこそ、
焦らず、急がず。
「簡単なことを、丁寧に繰り返す」
ここに戻ることが、
遠回りに見えていちばん早いのです。
面白いことに、
同じ提案でも“反応”がまったく違うケースがあります。
1歳2歳で来られたお子さまのご両親は
「0歳クラスに入りましょう」
とお伝えしても、
嫌な顔をされることはほとんどありません。
なぜだと思いますか?
それは、
幼児教育に求める“目的”が違うからです。
年中さんのタイミングで教室を探される方は、
どうしても
「入学準備」
「学力」
「勉強の先取り」
といった、“結果”に焦点が当たりやすい。
一方で、1~2歳さんの時期は
「心の土台を育てたい」
「しつけを整えたい」
「社会性を伸ばしたい」
「親子の関わり方を知りたい」
という、“育ちの根っこ”に関心が向きやすいのです。
私の軸ははっきりしています。
私が目指しているのは、心の子育て。
一択です。
心が正しく育っていれば、
学力はあとからついてきます。
むしろ、
心が育っていないまま学力だけを先に伸ばそうとすると、どこかで歪みが出ます。
頭でっかちで、心が貧弱。
理屈は立派なのに、行動力が乏しい。
正しさにしがみついて、柔軟に切り替えられない。
そんな大人にしてしまいたくないのです。
育てたいのは、その逆。
心がしなやかで、柔軟で、あたたかい。
頭も柔らかく、臨機応変に考えられる。
環境が変わっても、誰かと違っても、上機嫌で適応できる。
自分の機嫌を自分でコントロールできる人。
気が充実している人。
“強い”のではなく、しなやかに生きていける人。
そのために必要なのが、派手な先取りではなく、
簡単なことを丁寧に繰り返して、土台を固めることなのです。
だから私は今日も、あえて
言います。
「土台から始めましょう。」
それは、
あなたのお子さまを“下に見る”言葉ではなく、
大切に伸ばしたいからこその、思いやりの提案です。
分かってもらえる方との出会いを強く望む春です。
あなたの子育てにまるっと寄り添いますよ。



