「愛する」とは「知る」こと
Q:お友だちにおもちゃを貸せないことが多くトラブルになります。
うちの子が意地悪なんじゃないか、と思って心配です。
A:せっかくお友だちと一緒に楽しい時間を過ごせたら、と我が家にお友だちを呼んでいるのに・・・・
オモチャの取り合いや、貸し借りをめぐりトラブルになったり、
親が仲裁に入ることって多いですね。
「オモチャを貸せないなら、もうお家にお友だちを呼ばないよ!」とか・・・言ってしまいそう。
これは、
「貸す」「借りる」の概念がなく練習をしていないから、ということが多いです。
生後10か月頃に『おちょうだい遊び』をしておくと貸し借り上手になります。
親「ちょうだい」
子「・・・」手を出して渡してくれる
親「ありがとう」頭を下げる
子「・・・」頭を下げる
親「どうぞ」と手を差し出す
子「・・・」物を手に取る
子「・・・」頭を下げる
親「どうも」頭を下げる
これを何度も何度も繰り返す遊びが「おちょうだい遊び」です。
むかしは祖父母の家に遊びに行くと
赤ちゃんをあやすように「おちょうだいあそび」の光景が見られたものですが
昨今は、そんな「おちょうだいあそび」を見かけることも
なくなりましたね。
私の教室の0歳児コースのレッスンでは
お座りができるようになる9~10か月ごろから必ず登場する遊びです。
ではもうこの年齢を過ぎている場合でも
母子で、お遊びの中で
十分貸し借り遊びをして下さい。
上手にできたらすかさず褒めると良いです。
また、このことも知っておいてほしいのですが、
本当に大事なおもちゃで我が子が大切にしているもの、お友だちに貸したくないものは、
お母さんが代わって「貸せない」ことを説明し、
これだったら貸してもよいというおもちゃを渡してあげるとトラブルになりません。
このことは子にとっても
「お母さんは自分の大切なものを、分かってくれている」
つまり、
「お母さんは自分を大切に思ってくれている」
という信頼の証となります。
良くない対応の例としては、
「あなたはいつでもこのおもちゃで遊べるんだから、貸してあげなさい」
と、子どもの気持ちを無視して
勝手にお友達に貸してしまうことです。
これをすると、
「お母さんは自分の大切なものを分かってくれない」
つまり
「お母さんは自分を大切にしてくれない」
そして、「お母さんは信頼できない」
となるので気をつけましょう。
子どものが大事にしているものを
勝手によその子に貸す、というのは
子どもの人権をないがしろにしているに等しい行為です。
「○○ちゃんのお母さんは、自分の子どものおもちゃをよその子に貸さないのよ」
「○○ちゃんのお母さんはケチだね」
そんな噂どうでもいいじゃないですか。
子どもに刺さる矢は、親が背中で受け止めてあげる。
子を守るってそういうこと。
2歳、3歳はまだまだ親が介入して遊びを見守ることが必要です。
お友だち同士でルールを守って気持ちよく遊べるのは4歳後半~からということを心得ておくと
いいかもしれませんね。