いざというときのための犬猫のしつけ

山路美晴

山路美晴

テーマ:人と犬猫

【犬猫のしつけって?】



今日は東洋医学とは関係ない話ですが、最近いろんな飼い主さんと知り合って感じたことを少し書かせていただきます。

この10年ぐらいの間に、人と犬猫を取り巻く環境は大きく変わりました。

10年前にはまだ外飼いの犬も見かけましたし、猫は自由に放し飼いをするのが(田舎では特に)当たり前でした。

それが、犬はもちろん猫でも室内で飼育するのが一般的になり、犬猫と人との関係もより深まったように感じています。

その一方で、犬も猫も「しつけ」というとすごく特別なトレーニングのように思っておられる方が多いと感じます。

家庭で生活できるように人間との間のルールを教えるのがしつけだと私は思いますが、

犬の場合は
「人間の言う命令に従うように訓練すること」
が求められているし、

猫の場合は
「そもそもしつけなんて無理だし」と
思われがちではないでしょうか。

もっと、
家庭で必要なことを飼い主の手で当たり前にできること、これを「しつけ」と考えるべき
だと強く思います。

たとえば、

  • 爪切りや歯磨きなど日常のケアができない
  • ブラッシングをしようとすると怒る
  • 口の周りを触らせてくれない
  • 足先を持つと歯を剥いて怒る…


「動物病院やトリミングサロンではさせるのに、家で私がやろうとすると怒る。」
というお悩みを持つ飼い主さんは少なくありません。

でも、トリミングサロンや動物病院でも本当は犬は嫌がって怒っているけど、無理矢理押さえつけてされるからよけいに爪切りやブラッシングが嫌いになり、家ではますますできなくなっているのかもしれません。


ブラッシングする犬



これは飼い主さんの問題だけでなく、サロンも動物病院も同じように、犬猫の嫌がることを無理にしない、嫌なことは少しずつできるようにして、だんだん気にならないレベルに持っていく、
それが家庭での飼い主さんとペットとのよい関係に繋がっていくと思います。


爪切りする猫


でも、まずは飼い主さんの手で自分のペットの体はどこにでも触れるようになることが一番大切です。


いざというときにペットと一緒に逃げられるか



今回、私がなぜこんな話をし始めたかと言うと、明日は東日本大震災が起きた日だからです。
もうあれから11年になりますが、ペット防災は進んでいるのかと疑問に思ったので。

いざとなったとき、自分の犬猫を抱いて逃げられるか。
避難所でペットはおとなしく我慢できるだろうか。
防災のために自分は日頃から何かしてるだろうか、など。

もう一つは、
「うちの犬(猫)は怖がりで病院に連れていくとパニックになるので連れて行けないんです。」
と言われる飼い主さんが多いこと。

それではいざというときに必要な検査や治療が受けられず、手遅れになってしまいます。

まずは飼い主さんの手を好きになってもらうところから始めなければ…と強く思います。


(この投稿は2021年3月のメルマガ記事です。メルマガスタンドの移行に伴い加筆修正してこちらに投稿しました。)

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山路美晴
専門家

山路美晴(獣医師)

滋賀ペット治療院

鍼灸・整体など東洋医学に基づく診療で、動物本来が持つ“自分で治ろうとする力”を引き出す。ローラー鍼などの「刺さない鍼」やお灸を用いて、家庭でペットのケアを行う講座を各地で開催している。

山路美晴プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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