犬は人にいつも話しかけています

山路美晴

山路美晴

テーマ:人と犬猫

犬の言葉はボディランゲージ


前回は、犬が人をよく観察し、こちらの意向をよく汲んでいるというお話しでした。

そして、犬もいつも人に話しかけています。

たとえば、犬は誰かと目が合いそうになったとき、よくプイと横を向きます。
これは、カーミング・シグナルと呼ばれる動作の一つで、「私はあなたに敵意はありません」という印なのです。

犬同士、散歩中にすれ違うとき、目を合わさないように知らん顔で通りすぎることがよくあります。
一見、何も表現していないように見えますが、実はたくさんのことを一瞬のボディー・ランゲージで表しています。

ワンちゃんの動作、よく観察してみてください。
「こんにちは」や「それはいや!」などと喋っているのがわかりますか?


草の上でゴロゴロが好き



犬の「いやだ」を理解しないと噛み犬をつくってしまう


先日、ある方とお話をしているとき、
「噛み犬って簡単にできあがるってこと実感しました。」
と、言われました。

あるお宅で、家の脇に繋いでいる柴犬を毎日みんながよってたかって触るので、犬はいつもイライラを募らせている、と。

犬はいつも私たち人間に仕草で話しかけていますが、それは微妙な動きによる言葉なので、私たちにうまく伝わっていないこともよくあります。

特に、「それはいや!」「怖いよ!」などのサインを人間は見逃しがちです。

顔を背けたり、舌をペロペロしたり。
耳を伏せたり、体を硬くしたり。

それを無視して人間がグイグイと近づき、触ることで、とうとう犬は唸り、咬むという実力行使に出ます。

人間はどうして
「犬は黙って人の言うことを聞くもの」と、思ってしまうのでしょうか・・・

犬の「いやだ」の主張をもっときちんとくみ取ってあげてほしいものです。

(この記事は2019年6月13日のメルマガ記事を、メルマガスタンドの移行のためこちらに投稿しました。)


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山路美晴
専門家

山路美晴(獣医師)

滋賀ペット治療院

鍼灸・整体など東洋医学に基づく診療で、動物本来が持つ“自分で治ろうとする力”を引き出す。ローラー鍼などの「刺さない鍼」やお灸を用いて、家庭でペットのケアを行う講座を各地で開催している。

山路美晴プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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