嫌なことばかり思い出す心理。なぜ思い出したくもないのに浮かぶのか?

否定的で配慮性のない一言や理不尽な言葉、攻撃的な物言いに、その場で何も言えず泣き寝入りしたり、こう言い返せばよかった…と後から後悔したり、黙っていると言われ放題になったりします。言い返すことや自分を主張することは、自分を守る最大の防御です。
ここでは、言われっぱなしになる心理を紐解き、相手に振回されず咄嗟に言葉を返す具体的対処法をお話します。
言われっぱなしになる2つの心的背景

人は話を聞くとき、「こう言われるのではないか」「こう思われるのではないか」
この予見と予測をもって会話に臨んでいます。この予見と予測を思い込みと言いますが、これは人格・性格・人柄・ものの考え方、好みなど、その人のパーソナリティーによるため、正確に話を聞くことは大変難しいことです。言われっぱなしにならず、的確に咄嗟に言い返すには、まずこの予見と予測は排除しなければなりません。
では、なぜ予見や予測をしてしまうのか。それは相手の反応に対する2つの恐れのためです。その恐れが、言えなくしています。それには理由があります。
心的理由1.言葉が間に合わない恐れ
すぐ言葉が出ない、言葉が間に合わないのは、話すための文章作りに時間がかかるからです。ゆえに、あらかじめ予測して言葉を用意しておかなければ間に合いません。「ちょっと待って」とは言えません。その場で考えさせてくれません。だからどうしても構える必要があります。
心理学的にいえば、構える = 緊張、 常に緊張している状態です。
これは、反応に時間のかかる自分を知っているということ。だから「すぐ言い返さなければ」と焦り動揺して思考が止まり、何を言っているのか、何を答えていいのか、わからなくなります。結果、言葉が出ません。
心的理由2.相手にどう見られるか、評価に対する恐れ
「否定されたらどうしよう」「反論されたら…」など
人は、自分の発言に対して相手がどう思うのか、「YESかNOか」を恐れます。YESの場合はいいですが、NOと言われたときの心の準備が必要です。言い訳や説明などあらゆるケースを想定しそれぞれに考えていると、思考が間に合わず、咄嗟に言葉が出てきません。
例えば、「あなたは甘えすぎだ」と言われたとします。その甘えるという程度は、何処までが甘えの標準でしょうか。「手が遅い」と言っても、どれが標準スピードなのでしょうか。
それらは「全部相手が自分を基準にして判断していること」とまず理解します。言った人がスタンダード。自分の作業手順や作業スピードに比べて「あなたは遅い」と言っただけで、標準スピードがあるわけではありません。
相手は自分の思考やスピード、我慢のレベル、理解力、良い悪い、速い遅いなど、自分を基準に評価しているだけです。ただ自分のことを言っているだけ、人は他者を通して自らを語ります。
具体的対処法:3つの常套句

レスポンス時間を如何に短くするかが課題です。
常に緊張してストレスを受けている状態では、すぐ適切な言葉が出ません。まず考える時間を確保することが大切です。常套句は瞬時に返せるので、間を確保できます。
1.「と言いますと」
「と言いますと」この言葉で相手に一度戻します。すると相手は説明するので、時間ができるし内容も理解できます。そして自分も冷静になります。それでも自分の考えが浮かばなかったら、「〇〇と言いますと」内容の中から相手に再度戻します。
いつも「間」を持つ、即ち余裕を持つと、一呼吸置いて冷静に考えられます。
※見栄を張らない
しかし、「こんなことも分からないのか」と言われないために、すぐ答えねばとなります。人は賢く見られたいし良く見せたい、物わかりのいい人を演じたいものですが、わかったフリはしない、そのための一言が「と言いますと」です。自分の心が落ち着き、相手の言っている内容の理解も深まります。
2.「はい、わかりました」
2つ目の常套句は「はい、わかりました」
「よくやっているね」「よくできたね」、「ダメだ」「努力が足りない」「仕事が遅い」など、どちらにしても人は言います。それはその人の価値で何の意味もありません。
褒められても「はい、わかりました」
貶されても「はい、わかりました」
注意されても「はい、わかりました」
「よくやっているね」と言われて、自分は一生懸命しているつもりがなくても「はい、わかりました」。よくやっている自覚がないから「それを理解しました」ということ。「はい、わかりました」は謙虚な姿勢からの言葉で、これを素直と言います。
3.「ありがとうございます」
「はい、わかりました」が憚れる、わかってもいないのに嘘を言っているようで後ろめたさを感じる人は「ありがとうございます」
注意されても「ありがとうございます」
褒められても「ありがとうございます」
何であれ何を言われても教えてくれて「ありがとうございます」感謝の一言から始めます。すると会話もスムーズに始まります。
このようにレスポンスの言葉、常套句を決めて、そこで間を持たせます。
そしてゆっくり反芻します。今、何を言われたのか、不明瞭なところを質問し事実確認し、事実のみを言います。相手が誰であれ、弁解も言い訳も相手への配慮も必要ありません。すると、相手の言っている内容の理解が深まり、適切に言えます。また、評価に対して一喜一憂することもなくなります。
具体的対処法:言えるようになるための5つのステップ

社会で使われる業務連絡の会話は大体決まっていますから、そのパターンで対応可能です。
5つのステップ
- 常套句で間をつくる
- 定型文をつくる
- 言いたいことを文字にする
- それを声に出しリハーサルする
- その場を想定してロールプレイングする
家で声を出し、自然に出るようになるまで何度もリハーサルをします。また家族や友人とロールプレイングするのも効果的です。すると、必ず言えるようになります。一度言えると、あとは自然と言葉が出てきます。
言われっぱなしの日々から、自分らしく楽しい毎日を送れることを願っています。
それでもこんな時どうしたら? と悩まれたとき、お力になれたら幸いです。
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