任意売却のトラブル回避!売買契約書に「4つの特約条項」を追加して売主様を守ります!

中島孝

中島孝

テーマ:任意売却専門のノウハウを公開

売買契約書に追加する「4つの特約条項」を解説します
「任意売却」は、住宅ローンの返済に困った際、不動産を競売にかけられる前にご自身の意思で売却する方法です。しかし、一般的な不動産売買とは異なる特性を持つため、買主様との間で思わぬトラブルに発展するケースも少なくありません。

特に、任意売却の経験が少ない不動産会社に依頼してしまうと、後になって建物の補修費用や損害賠償請求など、大きな負担を強いられる可能性もあります。

そこで今回は、任意売却を安心して進めていただくために、不動産売買契約書に必ず追加すべき「4つの特約条項」について詳しく解説します。これらの特約条項を盛り込むことで、売主様は安心して任意売却を進めることができます。


1. 「売主の契約不適合責任(瑕疵担保責任)を免責とする」特約条項

通常の不動産売買では、引渡しから3ヶ月以内に発見された雨漏り、シロアリ被害、給排水の故障、主要構造部の腐敗といった「瑕疵(かし)」に対して、売主様が補修責任を負うのが一般的です。

しかし、任意売却の場合、売却理由を考慮すると、売主様がこうした補修責任を負うのは大きな負担となるケースがほとんどです。そのため、弊社の任意売却では、「売主は瑕疵の補修責任を負わない」ことを前提とした売買契約を締結します。

【参考事例】
売主は、本契約書第〇〇条(契約不適合責任)の定めにかかわらず、売主の売却理由を鑑み、買主に対して、契約不適合を理由とする追完、代金減額、契約解除、損害賠償請求等、一切の契約不適合責任を負わないものとする。

2. 「債権者の同意を条件とする」特約条項

任意売却では、売買契約を締結した後でも、債権者が差押登記や抵当権抹消に同意しない可能性があります。もし同意が得られなかった場合、売主様が契約違反となり、買主様から高額な違約金を請求されるリスクが生じます。

弊社では、このような事態を避けるため、「万一、債権者が差押登記や抵当権の抹消を拒否した場合や、新たに差押登記等が設定された場合を想定」した売買契約を締結します。

【参考事例】
本契約は、売主が残金決済時までに本物件に設定されている抵当権、差押登記、及び新たに設定された場合の抵当権等の担保権、並びに賃借権等の用益権を抹消することを停止条件とする。

万一、抵当権者等の同意が得られない等、理由の如何にかかわらず抵当権等の抹消をすることが不可能となった場合、売主は本契約を白紙解除できるものとする。

その場合、買主は売主に対し、一切の異議苦情の申立て及び損害賠償等(それまでに要した経費を含む)を請求できないものとする。

なお、売主は残金決済時に買主より支払われる売買代金を各債務に充当し、抵当権等の抹消登記を行うものとする。

3. 「登記簿面積での売買・測量しない」特約条項

土地の売買では、実測面積と登記簿面積に差があることがあり、後から売買代金が変更されるケースがあります。これを防ぐため、弊社では、登記簿に記載されている面積による売買とし、「測量しない」ことを前提とした売買契約を締結します。これにより、売買代金の変更によるトラブルを未然に防ぎます。

【参考事例】
本契約は現況有姿売買及び売買対象面積は公簿売買とし、実測の結果、面積に差異が生じても売買代金の清算は行わない。

4. 「現況有姿売買とする」特約条項

任意売却においては、建物の老朽化による不具合、設備の故障、壁の破損など、何らかの不具合があるケースも少なくありません。通常の売買であれば、売主様が補修してから引き渡すのが一般的ですが、任意売却の状況を考慮すると、これは大きな負担となります。

そのため、弊社では、「売主は補修せずに、現状のままの状態で買主様に引き渡す」ことを前提とした「現況有姿売買」として契約を締結します。これにより、引渡し後の補修に関するトラブルを防ぎます。

まとめ

任意売却を成功させるためには、これらの特約条項を売買契約書にしっかりと盛り込むことが不可欠です。任意売却は専門的な知識と経験が求められるため、信頼できる不動産会社選びが何よりも重要になります。

ご自身の状況に合わせた最適な任意売却を実現するためにも、ぜひ一度、任意売却の実績が豊富な専門家にご相談ください。

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中島孝
専門家

中島孝(宅地建物取引士)

ハウスパートナー株式会社

任意売却専門の不動産会社として設立。今年で10年目を迎えました。任意売却という特殊な不動産取引に精通し、解決実績が豊富です。ご相談者様のご要望・状況を把握した上で、解決プランをご提案します。   

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