「いつもと違うな」が大切なサイン
障がいのある方を支援していると、「どうしてこんな行動をするんだろう」と戸惑う場面があります。しかし、その行動だけを見て判断するのではなく、「なぜそうなったのか」「本人はどんな気持ちだったのか」を考えることが、より良い支援につながります。
今回のAさんも、大切にしていた帽子が壊れ、買い替えを楽しみにしていました。
しかし予定していた移動支援が延期になり、不安やストレスが積み重なってしまいます。そのため、支援者は急遽買い物に出かけることを決めました。
予定を変更するだけでなく、事前にお店を下見し、目的の帽子があるか確認するなど、安心して買い物ができるよう丁寧な準備も行いました。
買い物では、帽子だけでなく洋服や靴など「これも欲しい」「あれも必要」と希望が次々に出てきました。さらに途中では思わぬハプニングも起こり、支援者は全身びしょ濡れになるという出来事まで経験します。
それでも、その場の出来事だけを責めることなく、Aさんの特性として受け止め、落ち着いて対応しました。
印象的なのは、その後です。
支援者が自分の状況や気持ちをAさんへ丁寧に伝えると、Aさんは納得はしきれなくても事情を理解し、「今日は帰ります」と受け入れてくれました。障がい特性は「絶対に理解できない」というものではありません。時間をかけて伝えれば理解してくれることもあり、
相手を信じて関わることの大切さを改めて感じさせられます。
支援では、大変な出来事に目が向きがちですが、その人の優しさや思いやり、理解しようとする力にも目を向けたいものです。「困った人」ではなく、「困っている人」として寄り添うこと。その積み重ねが信頼関係を育み、本人らしい生活を支える一番の力になっていくのではないでしょうか。


