「自分で決める」ことを支える~自立への第一歩

佐伯重和

佐伯重和

グループホームの見学で印象的だったのは、TさんとKさんが、ホームでの暮らしを楽しそうにイメージしていたことです。
「夜はゲームをしたい」「Aさんの部屋にも行ってみたい」など、入居後の生活について次々と話が広がっていきました。部屋を見て「ここが気に入った」と、大の字になって寝てしまう姿からも、二人がその場所を自分の生活の場として受け止め始めていることが伝わります。

障がいのある方の地域生活を考えるとき、大切になるのが「本人の意思を尊重する」という視点です。今回も、入居するかどうかについて本人が意思を示し、その意思を前提に支援していくことが確認されています。これは支援者が「この人にはこれが必要」と先に決めるのではなく、本人が何を望んでいるのかを確認し、その選択を支えるという考え方です。

もちろん、実際の生活では、楽しいことだけではありません。
生活リズムや他の入居者との関係、自分の時間の過ごし方など、暮らし始めて初めて見えてくる課題もあります。今回も、仲の良い二人が同じホームで暮らすからこそ、「一緒にいる時間」と「自分自身の時間」の両方を考える必要性が話されています。



だからこそ支援者には、本人の希望を尊重するだけでなく、その希望を実際の生活につなげるための環境調整や情報提供、必要な場面でのサポートが求められます。本人が「やってみたい」と思える環境を整え、失敗や困りごとも含めて経験できるよう支えること。
それが、本人主体の自立生活を支えるということなのではないでしょうか。

自立とは、「一人でできること」を増やすだけではありません。「自分はどうしたいのか」を考え、自分の生活を自分で選んでいくこと。その選択を支えることこそ、私たち支援者の大切な役割なのだと思います。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

佐伯重和
専門家

佐伯重和(障がい者グループホーム運営)

笑顔の家

利用者が安心して暮らしていける障がい者グループホームを目指し、食事などの生活支援、通院支援や金銭管理のサポート体制を整えている。また障害の特性と人生プランに合わせたグループホーム選びを呼び掛ける。

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

地域と共生する障がい者グループホームを運営する専門家

佐伯重和プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼