墓石はなぜ石で作られるのか、その理由
3月5日の埼玉新聞朝刊1面に、こんなタイトルの記事が掲載されました。
「県営墓園 事業化へ 墓石不要 公園機能も」
高齢化社会はますます進み、埼玉県内の墓地需要が高まることが予想される。埼玉県としては、県営墓園を作ることによって、これに対応したいと考えているようです。「ゆりかごから墓場まで」という言葉もあるように、本来、亡くなった方を埋葬する墓地は行政サービスの一環として提供されて然るべきですから、このプラン自体は良いもののように思えます。
正直言えば、私のような「石屋」(石材店)にとって、墓石のいらないお墓を県が主導で作ってしまうということは、死活問題です。後継者がいなくても大丈夫な墓地を作る事と、墓石を建てないということはイコールではないのです。が、近年、自治体が主導で作る墓地は、何故か墓石を排除する方向に流れているように見受けられます。
現実には、「墓石を建てたい」というニーズは確実にあります。一方で「墓石はいらない」という人もいるでしょう。公的サービスとして墓地を作るのであれば、その双方のニーズを取り入れた墓地を作るべきではないか、と、私は思います。