お墓にまつわる単位の話
前回はお墓全体の構成について書きましたが、今回は墓石の形について書きます。
近年の墓石は、様々形に多種多様化してきましたが、大まかに分けると3種類になります。
一つ目は、伝統的な形態である「和型」です。
「三段墓」などとも呼ばれます。その形は人の姿を象ったとも、卒塔婆が変形したともいわれています。最上部の「竿石(さおいし)」、上台、中台、芝台の4つに分かれています。石が4つあるのに何故三段墓かといいますと、竿石、上台、中台までが「墓石」であり、その墓石を乗せるための台が芝台になるためです。
そして二つ目は、近年、半分以上の割合を占めつつある「洋型」です。
横型の重心が低い墓石です。洋型の建墓が増えた理由は二つあります。
一つは「少子化」。お子さんがお嬢さんしかいない、あるいはお子さんが一人っ子で結婚していない、等、お墓の跡継ぎになる方が同じ家名とは限らない事も増えてきました。「○○家之墓」と正面に彫刻してしまうと、跡を継ぐ方の姓が変わった時困るのではないか、ということで、正面に家名を彫らないという選択も出てきました。そういった場合、和型よりも洋型の方が自由度が高いため、洋型を選択されるのです。
もう一つは地震の影響を考慮して、です。重心の高い和型よりも重心の低い洋型の方が地震に強いのではないか、と思われる方が増えました。確かに重心が低い方が横揺れには強いですが、縦揺れの場合は洋型でも対応しきれないこともあり、過度の期待は禁物です。
最後に「(オリジナル)デザイン墓石」です。お客様のご希望で、和型でも洋型でもない、オリジナルの墓石を作ることが出来ます。ただし、石で作る特性上、実現が難しいデザインでは作ることが出来ません。(例えば、極端に薄かったり尖っていたりするデザインでは、墓石が欠けてしまう原因になります)オリジナルデザインの墓石を建てる際には、デザイン力と加工技術の両面を兼ね備えた石材店に依頼する必要があります。
次回は、和型墓石についてもう少し掘り下げてみます。