パソコンが「使える」と「できる」は違う。本当の意味での「できる」に必要な3つの要素(前編)
パソコンを"使える"から"できる"ようになる要素
●前編でも言いましたがサポートエンジニアから見て、パソコンが"使える"と"できる"では違いがあること、またそれには以下の3つが要素としてあることを述べました。
- パソコンの能力に見合った使い方をしている
- 早くて的確な検索能力
- OSとアプリケーション、ハードウェアのバランスを考えて運用している
という事で要素①から説明していきましょう。
①パソコンの能力に見合った使い方をしている
●"余裕"のある環境で運用することがパソコンの作業効率を上げる秘訣です。ですから余りに性能や容量が低いおそいパソコン、おそいネット回線速度環境で無理な作業をさせている人はどんなにタイピングが早くても、ソフトを駆使できてもパソコンが"できる"とは言えません。
●これは例えて言うならば、バケツでいっぱいにしなければいけないドラム缶を、マグカップで何度も注いでいるような状況に見えてきます。そういうことを言うと「マグカップの動きを早くすればいいでしょ?」・・と言われるかもしれません。しかし、だれが見てもそれが本来の"できる"仕事であるとは言えないでしょう。
●また、動画編集や変換、画像編集などの重量級ソフトウェアはマルチコアCPUで、できればGPU搭載の環境で作業すべきで、他に64bitはもちろんキャッシュ用HDD設置などで作業領域と保存領域を分けるなど工夫ができれば、非常に快適な作業が期待できます。
●そのような環境作りや対応をやらずして単に「編集が出来る」と言われても本質的に理解していないことがわかってしまいます。そこを理解してからこそ"できる"と言えます。
②早くて的確な検索能力
●これはどういうことかというと、インターネットの検索で知りたい情報を安全に確実に、それも短時間で探し出せる人は"できる"人だということです。
●ネットで検索が上手く出来ない人の様子を側から見ていると、検索技術が未熟です。全般にあきらめが早い人、短気な人、洞察力が低い、表記などにすぐに騙される・・・などでサーチ能力が左右されます。デバイスドライバやフリーソフトを探す際に、決して行ってはいけないようなページでそこからダウンロードをしてしまう人がいますが、危険なページをかぎわける「嗅覚」も必要です。
●そのWebページのどんなところに問題があり、何が危険かと言う事を判断、判別するには単なるスキルよりも情報リテラシーを理解していることが重要です。また、豊富な経験と実践も検索能力を高めます。
●また、スクリプト制御をしないでブラウジングしているだけで「わかっていない」ということが言えます。
③OSとアプリケーション、ハードウェアのバランスを考えて運用
●前編で佐々木小次郎の話をしましたが、剣豪とは剣さばきが上手いだけではダメで武士道が背景になければ達人とは認められないわけです。やはり人と道具の関わり合い方という部分にも「本質」というものがあるわけです。
●パソコンも同じです。ハード、ソフトの役割と負荷をきちんと理解して、バランスを考えて使うと遅くなることもフリーズすることも、エラーになることも少なくなります。
●デバイスドライバやファームウェア、プログラム自体の更新など最新の状態になっているかなど、ソフトウェアとハードウェアの整合性とバランスを意識し、考慮した使い方を実践することがパソコンのパフォーマンスを100%引き出せる"できるパソコンの"使い手です。
●自動車で例えると、山岳地帯に行くのにはSUV、ワインディングならホイールベースが短い小型クーペ、高速道路走行ならホイールベースが長く大きな排気量のバンやセダン・・と言うように、走行シチュエーションに応じて適した車両と操縦技術があるわけです。それがちぐはぐになれば、とても快適な走行や操縦にならないどころか、車両にも問題が出ることがあるでしょう。
●要するに、「人車一体」という言葉のように人とPCにもそれが当てはまるという事です。
●パソコンは30万円かけた最新のモデルだけど、いつも固まる、おそい、エラーが出るという使い方をしている場合は"パソコンができる"とは到底言えません。お金を出しさえすれば良いものは誰でも手に入れることができます。車と同じで100%の能力を引き出せるかどうかは、それを使う人の力量と考え方次第です。
●以上のようにパソコンが"できる"ということの本当の意味を理解すれば、他のどんな方法よりも最短で上達に近づくことができますので、ご参考いただければと思います。
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