耐震診断の流れと調査項目
木造住宅なら出来る 簡単なわが家の耐震診断
前回は鉄筋コンクリートの耐震診断と耐震補強についてお話ししましたが、今回は木造住宅についての耐震診断と耐震補強についてお話ししたいと思います。
前回ご紹介した鉄筋コンクリートの診断が、専門の診断実施機関によって行われるのに対し、木造住宅の場合は専門家だけでなく、どなたでも簡単な耐震診断が出来るリーフレットが日本建築防災協会によって配布されています。
また、質問に対して当てはまる項目をクリックしてゆくだけで、耐震に関する意識の向上、耐震知識の習得が行えるインターネット版のリーフレットもありますので、こちらにリンクを貼っておきます。
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/wagayare/taisin_flash.html
ただし、これらは専門家による診断へと繋げるための一助として設けられているものなので、満点であったからと言って、絶対の安心を保障するものではないことは、頭に入れておきましょう。
守っておきたい、専門家による耐震診断のステップ
専門家が行う耐震診断には、鉄筋コンクリートのように建物ごとに三次までの診断がある訳ではなく、大きくわけてふたつです。ひとつは必ずしも耐震改修を前提としないため、原則的には内装材や外装材を剥がしたりすることのない「一般診断」。
もうひとつは改修の必要性が高い家屋に対して、部材やそれらの接合部まで含めたより詳細な情報を集め、最終的に改修が必要かどうかを判断した上で、改修後の耐震性も診断する「精密診断」です。
しかし、これらの診断のステップをひとまとめにしようと、いきなり「精密診断」を行うことはお勧めしません。一般診断を省略して、いきなり精密診断を行った場合、結果的に改修の必要がなかった場合でも、外装材などを剥がしてしまうことで、余計な費用が出てしまうことがあるからです。
また、一般診断を行ったからと言って、いきなり耐震補強、耐震改修に踏み切ることにも賛成出来ません。なぜなら部位別の劣化状態などの情報がないために、こちらも必要以上の改修を行うことになり、費用がかさむ危険性があるからです。
きちんとステップを守った上で、効率的な耐震改修、耐震補強に取り組みましょう。
木造住宅の耐震補強、その前に
木造住宅の具体的な耐震補強の方法や補助金の制度などについては、これまでのコラムを参考にして頂くことして、今回は工事に実際にとりかかる前に知っておくと、より効果的な耐震補強が可能となる方法をアドバイスさせて頂きたいと思います。
耐震診断の後、実際の工事にとりかかる前に、建築士などの専門家が目標とする耐震性能を定めた上で、施行の条件やコスト、工期などを住んでいるお客様と相談し、目標とする耐震性能を定めた上で、目標を実現するための設計を行います。これを補強設計と言います。
この時点でしっかりと要望を伝えた上で、可能ならその設計を立てた建築士に工事管理をしてもらうと、設計通りの改修工事がきちんと進んでいるかが管理出来ます。通常、工事金額の5〜10%の費用がかかりますが、我が家の安全・安心のためにもお勧め致します。
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