地盤改良すれば、元田んぼや畑だった地盤に新築住宅を建てても良いか?
住みながら、生活しながらの耐震補強は可能か?
さてこれまでのコラムでは、家屋はさまざま、地盤、擁壁など、さまざまな耐震補強、耐震改修についてご紹介してきましたが、耐震補強を行う際に、多くの方が気になさるポイントの一つが、今回のタイトルでもある「住みながら、生活しながらの耐震補強は可能か?」ということだと思います。
この質問に対しては、実は「工事の規模やその他諸々の条件による」としか答えようはありません。また住みながら行うことのできる耐震補強だからといって、今まで通りのそのままの生活が出来るかというと、そうとも言えない場合はあります。
しかし、「もしもの地震に備えるのはいいけれども、そのために目の前の生活のリズムが大きく狂ってしまうのはちょっと…」とお考えで耐震補強を後回しにしてしまっている方のために、今回は住みながらでもできる耐震補強のうちのいくつかをご紹介いたしましょう。
主な生活空間に影響を与えない部分を耐震補強
当たり前の話ですが、例えば家を全面改修した上で、耐震補強をする場合などは、どうしても別に仮住まいを見つけてそこで生活することが必要になってきます。
一方で、主な生活空間に影響を与えない部分的な耐震補強であれば、住みながらでも工事は可能となることがあります。具体的な例で言えば、二階建ての一階のみを耐震補強し、基本の生活を二階で行うことが可能な場合などです。
また「外壁・内壁など壁にできる耐震補強・耐震改修」の回でもご紹介いたしましたが、荷物や家具の移動などが必要になってくる内側からの改修工事に対し、外側から「耐力壁」を補強するという工事などでは、より普段の生活に近い形での生活が可能になる場合があります。
さらに、最近では内壁の補強であっても、既存の壁をはがさずに重ね張りを行うことで、住みながらの耐震補強が可能となる工事などが登場していますので、専門家の意見などを参考に、なるべく快適な状況での耐震補強を行ってみてください。
意外と知られていない、住みながら耐震補強を行うメリット
もちろん、仮住まい、引っ越しなどのデメリットを考えれば、これまでの居住空間に住みながら耐震補強ができるということは、それだけでも非常に大きなメリットがあると考えられますが、一方で騒音や作業員の出入りなど、慣れるまでは普段の生活のリズムがある程度崩れてしまうことも多々起こりえます。
しかし、意外に知られていないことですが、住みながらの耐震補強では、実際の工事の進行具合や工事の内容などに目が届きやすいというメリットもあります。
せっかくの機会ですから、細かい生活の変化に過剰に神経質になるよりも、自分の家がどのような過程で耐震補強されていくかを知るチャンスと捉えていただければ、今後の防災に関してもお役に立つのではないかと思います。
➢耐震リフォームにおける耐震補強の方法