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田原稔久

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田原稔久(たはらとしひさ) / 建築家

田原建設株式会社

コラム

耐震リフォームにおける耐震補強の方法

2016年5月22日 公開 / 2016年6月1日更新

テーマ:耐震補強・耐震改修

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 耐震リフォーム耐震補強


耐震リフォームにおける耐震補強の方法には、さまざまなものがあります。今回はその主なものを実際の住宅の気になる部分を参照しながら、ご紹介していきます。

耐震補強の主な方法には、「屋根材の見直し」「壁の補強」「柱の補強」「梁の補強」「床面の補強」、それら「接合部の補強」、さらに「建物の基礎及び足下の補強」などが挙げられます。これらは今後のコラムで詳しくご紹介していきますが、他にも、大掛かりな耐震補強ができない方のために、住まいの中に「耐震シェルター」を作るといった方法もあります。

また住宅の部分に関わらず、傷んだ部材の修理や交換も重要です。例えば、湿気やシロアリなどによって部材が傷んでいる場合は、補修、交換した上でないと、耐震補強を行うことはできません。

地震の力を受け止めて耐える耐震リフォーム

前回ご紹介した耐震補強について、今回からはもう少し具体的な解説をしてみたいと思います。
まず、軽くおさらいをしてみますと、耐震補強とは、建物自体を頑丈かつ壊れにくくすることで地震の力を受け止めて耐えるタイプの耐震リフォームですが、いざ、その方法を見ていきますと、業者さんによっても千差万別であることに気づかされます。

そこで、今回は数ある耐震補強の中でも木造建築に対する主なものをいくつか、住宅の気になる部分を参照しながらご紹介していくことにいたしましょう。

こんなにある!耐震補強の方法

まずは外に出てご自分のお家を見上げてみてください。屋根が見えるかと思います。この屋根材を軽いものにする「屋根材の見直し」も耐震補強の一つ。さらに「壁の補強」、「柱の補強」「梁の補強」「床面の補強」、そしてそれらの「接合部の補強」「建物の基礎及び足下の補強」などが主なものとして挙げられます。

これらの補強の仕方については、今後、このコラムで詳しくご紹介していきますが、いくつもの補強を複合的に行っていくのが、家をより強くする耐震リフォームの決め手となります。

しかし、一方で大掛かりな耐震補強ができない方のために、ひと部屋分の空間だけを耐震補強し、家屋が倒壊しても命を守る「耐震シェルター」や、寝ている間の家具の転倒から身を守る「防災ベッド」など、予算に合わせた個性的な方法もありますので、「耐震補強はお金がかかる」と思ってらっしゃる方も、一度、ご自分にあった耐震補強をお調べになってみると、さまざまな発見があるかと思います。

耐震補強を行う上で重要な部材の修理や交換

また耐震補強を行う上で重要なのが、部分に関わらず傷んだ部材の修理や交換を行うことです。傷んだ部材は軽度であれば補修、重度であれば交換を行わなければ、耐震補強の工事は行えません。

傷みの原因は湿気やシロアリなどさまざまですが、私が実家の仕事を手伝い、家屋の取り壊しやリフォームの現場監督を行っていて痛感したのが「大半の住宅は水回りが腐っており、これでは耐震性は弱いはずだ」ということでした。

湿気は建物の腐食の原因となる他、シロアリやカビなどが発生しやすい環境を作るなど住宅にさまざまな悪影響を与えます。
シロアリなどの被害の場合は、防蟻処理をした木材などを使って、進行を食い止めることもできますが、傷んだ部材が発見された場合は、思い切ってその原因をしっかりと見極め、湿気対策などそれらを根幹から絶つ工夫を、耐震補強と共に行うことも視野に入れてみてください。

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