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田原稔久

快適で長持ちする住宅建設の専門家

田原稔久(たはらとしひさ) / 建築家

田原建設株式会社

コラム

親世帯、子世帯それぞれの二世帯住宅のメリット

2015年10月15日

テーマ:二世帯住宅施工事例

コラムカテゴリ:住宅・建物

孫の成長を見守り、育児参加できる親世帯

二世帯住宅についてあらゆる側面から解説してきましたが、今回は、改めて二世帯住宅のメリットについて考えてみたいと思います。

まず、親世帯にとって、二世帯住宅に暮らすことのメリットとはどういうものなのでしょう。
親世帯では、孫の成長が見守られる点を真っ先にあげる方が多いようです。
別居の場合、近くても理由がないとなかなか孫に会いに行くことが叶いません。また最近の子どもは、塾や習い事などで忙しく、なかなか祖父母に会いにいく時間もありません。

二世帯住宅の完全同居なら、毎日、成長を見ることができるばかりか、子育てに参加することも可能です。


分離タイプの住居でも、共働き夫婦であれば、祖父母として、全面的に育児をサポートし、そうすることで生活に張り合いが出てきます。

親世帯にとっては、かわいい孫たちとの生活はとても刺激になります。
高齢の夫婦だけでゆっくり暮らすのも素敵ですが、また違った生き甲斐が生まれてきます。

年を重ねて、精神的に満たされるのはなかなか難しいことですが、二世帯住居で孫や子ども世代と暮らすことで、心の充足感が得られます。

世代を超えたつながりは、今の核家族時代にはなかなか味わえない貴重なものです。それはお互いにとってプラスの体験となります。

何かと多い不安が解消できる親世帯

親世帯は、近い将来への不安がよぎります。高齢で一人暮らしは心配です。老老介護も避けたいですね。

娘(息子)夫婦や孫がすぐそばで暮らしているのは、心強いはずです。
高齢になると心細くなるものです。
また、病気や転倒などによるケガも心配されます。そんな時も子世帯に頼れると思えば心強いでしょう。

万一の時や緊急時も、子どもや孫が遠方に住んでいたらひとりで対応しなければなりませんが、同居なのでいつでも連絡がつきます。
社会問題になっている「孤独死」も回避できます。

昨今、夫婦2人きりになってから、家の管理が大変になり、子どもの近くや小さなマンションに引っ越す老夫婦が増えてきました。
しかし、年老いてからの転居は簡単ではありません。
二世帯住居ならその必要はありませんし、家の管理も子世帯に委ねることができます。


さらに相続税対策としても有効です。負担が軽減されます。
2015年1月1日から相続税の基礎控除額が縮小され、相続税の申告が必要になる人が増えることが予想されます。

もし親世帯の夫が亡くなった場合、妻である配偶者は課税対象となりますが、二世帯住居の場合「小規模宅地等の特例」が適応され、財産の評価額が8割減となり、それに伴い相続税も抑えられます。

育児協力が頼め、安心して働ける子世帯

では、子世帯にとったらどのようなメリットがあるのでしょう。
共働き夫婦にとっては、仕事と育児をサポートしてもらえる可能性があります。
親世帯に育児協力をお願いできるのは、最大のメリットです。たとえ妻がフルタイム勤務でなくても、パート勤務にも出やすくなります。

親世帯との関係性にもよりますが、料理や掃除等の家事を手伝ってもらえることもあります。

親世帯の配慮で、ときには子世帯の夫婦ふたりきりで外出を楽しむこともできます。

また、子どもが急に病気になったり、何かトラブルがあった際は、経験豊富な親世帯にすぐに相談できるのも心強いはずです。

さらに、現状として資金不足の人が多く、なかなか一戸建ての注文住宅を若くして建てられないものです。親の土地に二世帯住居の建て替えをすれば、建築費の協力だけですむというのも経済的に大きなメリットでしょう。

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