第13回 「機会がなかった」は、自らチャンスを捨てた証拠

「報告・連絡・相談」は組織の基本です。しかし、形だけの「報・連・相」は、逆に組織のスピードを落とし、信頼関係を蝕みます。 本当にチームワークを高めるのは、情報を「共有」する力です。 第14回は、店長がごっちゃにしていた「報告・連絡・相談」の定義を再構築し、チームの風通しを劇的に良くしたお話です。
前回、自ら歩み寄ってスタッフとコミュニケーションをとることで信頼関係の土台を作った店長。 しかし、現場の連携を強化しようとする中で、新たな壁にぶつかりました。
「スタッフに報・連・相を徹底させているつもりなんですが、どうも指示がうまく伝わらなかったり、伝達ミスが起きたりするんです」
私は、店長が「報告・連絡・相談」の目的を正しく理解していないのではないか、と直感しました。 ヒアリングしてみると、案の定、「報告」と「連絡」を混同していたのです。店長だけでなく、多くの現場がここを誤解しています。
【正しい定義への再構築】
私は店長に、これら3つの言葉の定義を明確に伝えました。
1.報告(完了と状況): 指示された仕事が「完了」したことを伝える。長期にわたる場合は「中間状況」を伝える。報告は部下から上司だけでなく、上司から部下へも行う。
2.連絡(知恵の共有): 「この情報は、あの人が知っていれば役立つかもしれない」と思うことを伝えること。これは情報の「価値」を判断して伝える行動である。
3.相談(助言の要請): 困っていること、判断に迷うことについて、アドバイスをもらう。
特に問題だったのは「連絡」でした。店長は、連絡を単なる「周知」だと考えていましたが、真の連絡とはチームメイトの相互理解と信頼を深めるための行動なのです。
【連絡がチームを救う】
店長はこの定義を聞いてハッとしました。 「これまで、連絡を伝えるだけの情報共有になっていました。それが、お互いの仕事を理解せず、バラバラに動いていた原因かもしれません」
店長は翌週から、スタッフに対して徹底しました。 情報を見つけたら、ただ伝えるのではなく「なぜそれを伝えるのか」という意図もセットで伝えてもらうようにしました。 例えば、「〇〇さんが困っているかもだから」という理由で、関連情報を別のスタッフへ「連絡」する。
この行動によって、チーム内に温かい循環が生まれました。 「あの人は自分のことを考えて情報をくれたんだ」とスタッフが感じ、相互理解が深まる。その結果、チームワークが高まる成果につながったのです。
【コーチの視点】
あなたのチームの報・連・相は、義務感だけで行われていませんか? 連絡とは、「他者の役に立とうとする意志」です。 リーダーがその価値を再定義し、一人ひとりが「相手のためになる情報」を探すようになると、チームは劇的に強くなります。
次回は、「第15回 トラブル対応は、チーム力を高める最強のチャンス」です。
第15回 トラブル対応は、チーム力を高める最強のチャンス


