高齢の親の銀行取引を子供が代行するには
成年後見…よく耳にするようにはなりましたが、まだまだ利用されていない制度ですね。
とにかく分かりにくいのも原因だと思います。
まず知っておきたいのは、後見には「法定後見」と「任意後見」の2つがあるということ。
普通、成年後見というと法定後見のことを指します。
法定後見はその名のとおり法律で定められた要件に合う人(=判断力が衰えている人)が利用する制度です。
また、要介護とは別ものであることも知っておきたいですね。
一方、任意後見は「任意」ですのでいつでも誰でも利用でき、将来判断力が衰えたときのために、事前に支援の内容、誰に支援してもらうかを予約しておきます。
法定後見は判断力が衰えた人が、任意後見は判断力がある人が利用する、と説明した方が分かりやすいかもしれません。
法定後見の特徴は、
・後見人がつくと株式会社の役員になれない、公務員になれない、一定の資格者になれない(例:弁護士、司法書士、行政書士)など、本人には制限されることがある。
・判断能力回復がない限り本人が死亡するまで続き、家族の事情で途中でやめることはできない。
・たとえ家族であっても本人の財産を勝手に使うことはできませんので相続対策のために子や孫に贈与ができないない。
・財産管理や身上監護を毎年家庭裁判所に報告しなければならない。
なんだかデメリットばかりのように感じるかもしれませんが、金融機関での取引や不動産登記がスムースに行くメリットもあります。