肩こり患者の9割が知らない事実とは!?
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「5分も歩くと、足がしびれて重くなり、しゃがみこんでしまう」
「スーパーのカートを押している時や、自転車に乗っている時は楽なのに…」
「病院で『背骨の神経の通り道が狭くなっている』と言われ、手術も検討している」
そんな、歩く自由を奪うつらい症状、「脊柱管狭窄症」に悩まされていませんか?
この症状の最大の特徴は、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といって、歩いていると足がしびれて歩けなくなるけれど、少し前かがみになって休むと、また歩けるようになることです。
多くの方が、「もう歳だから治らない」「骨が変形しているから手術しかない」と諦めかけています。
確かに、加齢による骨や靭帯の変化は原因の一つです。しかし、同じように骨が変形していても、痛みなく元気に歩いている方はたくさんいらっしゃいます。
その違いは、神経の通り道をさらに狭くしてしまう「悪い姿勢」を、無意識にとっているかどうかにあります。
あなたの症状を悪化させているのは、良かれと思ってやっている「無理に背筋を伸ばそうとする姿勢」そのものかもしれないのです。
今回は、手術を検討する前に知っておくべき、狭窄症の生理学的なメカニズム、特に症状の引き金となる【腰の反りすぎ(過度な前弯)】と【黄色靭帯(おうしょくじんたい)の肥厚】に焦点を当て、痛みとうまく付き合い、歩く力を維持するための「知識」について、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
なぜ、歩くとしびれ、休むと治るのか?「神経のパイプ」の仕組み
まず、腰の中で何が起きているのか、その物理的な構造を理解しましょう。
背骨の中には、脳から続く神経の束が通るトンネル、「脊柱管(せきちゅうかん)」というパイプがあります。
脊柱管狭窄症とは、このパイプの内側が何らかの原因で狭くなり、中の神経が圧迫されて、血流が途絶えてしまっている状態です。
重要なのは、「このパイプの太さは、姿勢によって変わる」という事実です。
・腰を反らす(背筋を伸ばす):パイプの構造上、後ろ側が狭くなります。
・腰を丸める(前かがみになる):パイプの後ろ側が広がり、空間ができます。
歩いている時、私たちは体を支えるために腰を伸ばします。狭窄症の方は、この時にパイプが限界まで狭まり、神経が締め付けられて足がしびれます。
逆に、しゃがんだりカートを押したりして前かがみになると、パイプが物理的に広がるため、圧迫が解除されて血流が戻り、また歩けるようになるのです。
神経のパイプを狭くする、2つの要因
では、なぜあなたのパイプは、そこまで狭くなってしまったのでしょうか。
そこには、長年の負担による「組織の変化」と、それを助長する「姿勢の癖」があります。
1.パイプの中にタコができる!「黄色靭帯の肥厚」
これが、脊柱管が狭くなる物理的な主要因の一つです。
背骨の後ろ側には、骨同士をつなぐ「黄色靭帯(おうしょくじんたい)」というバンドがあります。
このバンドは、脊柱管(パイプ)の内側の壁の一部でもあります。
若い頃からの腰への負担や、加齢によって背骨が不安定になると、体はこのバンドを分厚くすることで、背骨を補強して安定させようとします。
これは、よく使う手に「タコ」ができるのと似ています。
体にとっては背骨を守るための防御反応なのですが、パイプの内側にあるバンドが分厚くなるということは、結果として、神経が通るスペースを内側から埋めてしまい、通り道を狭くしてしまうのです。
2.狭いパイプをさらに締め上げる「腰の反りすぎ(反り腰)」
分厚くなった靭帯によって、元々狭くなっているパイプ。そこに最後の一撃を加えるのが、「腰を反らす姿勢」です。
狭窄症の方の多くは、実はお腹の力が弱く、骨盤が前に傾いた「反り腰」の状態になっています。
また、「姿勢を良くしなきゃ」という意識から、無理に胸を張り、腰を反らせて歩こうとする方も少なくありません。
しかし、先ほど説明した通り、腰を反らす動作は、パイプを最も狭くする動作です。
元々狭くなっている通り道を、あなたの「反り腰」がさらにギューッと押しつぶし、神経を完全に挟み込んでしまっているのです。
立っているだけでつらいのは、重力によって腰が反り、自動的にスイッチが入ってしまっているからです。
手術を避けるために!パイプを広げる「生活の知恵」
一度分厚くなった靭帯を元に戻すことは困難ですが、姿勢をコントロールして「パイプを広げる」ことは可能です。
1.「良い姿勢」を捨てる勇気。ショッピングカート姿勢のすすめ
脊柱管狭窄症の方にとって、一般的に言われる「背筋をピンと伸ばした良い姿勢」は、神経をいじめる悪い姿勢になり得ます。
歩くときは、無理に背筋を伸ばそうとせず、少しお腹を引っ込めて、背中を丸めるくらいの意識で丁度良いのです。
「ショッピングカートを押している時の姿勢」が一番楽なはずです。あれは、前かがみになることでパイプが広がり、神経への圧迫が消えている証拠です。
痛みが出る姿勢を無理に続ける必要はありません。楽な姿勢こそが、あなたの体にとっての正解なのです。
2.ウォーキングよりも「サイクリング(エアロバイク)」
運動はしたいけれど、歩くと痛い。そんなジレンマには、「自転車」が最適です。
自転車に乗る姿勢は、自然とハンドルに手を伸ばし、背中が丸まります。この姿勢は、脊柱管を広げるため、神経への圧迫が起こりにくいのです。
自転車やエアロバイクなら、足のしびれを感じることなく、下半身の筋力を維持し、心肺機能を高めることができます。
「歩けなくなったら終わり」ではありません。痛くない方法を選んで、体を動かし続けることが大切です。
3.反り腰の原因を解く「股関節のストレッチ」
腰を反らせてしまう原因の多くは、太ももの前側の筋肉(腸腰筋など)が硬くなり、骨盤を前に引っ張っていることにあります。
知識として、「股関節の前側を伸ばせば、腰は反らなくなる」と覚えておいてください。
仰向けに寝て、片膝を胸に抱えるポーズをとると、反対側の足の付け根が伸びます。
これを日常的に行うことで、骨盤の前傾が改善され、立っている時のパイプの圧迫を減らすことができます。
まとめ:狭窄症は「腰を丸めて」と訴えるサイン。楽な姿勢を選ぼう
さて、今回は「歩くと足がしびれる『脊柱管狭窄症』、本当の原因は【腰の反りすぎ】と【靭帯の肥厚】にあった!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
あなたの歩行を妨げていたしびれが、狭くなったパイプと、それをさらに締め付ける「反り腰」という物理的な現象によって引き起こされていたことを、ご理解いただけたかと思います。
そのしびれは、あなたの神経が「もう反らさないで!」「少し背中を丸めてスペースをちょうだい!」と訴えている、切実なサインなのです。
では、今日のポイントをまとめます。
- 脊柱管狭窄症は、神経の通り道(パイプ)が狭くなり、血流が途絶えることで、歩行時に足がしびれる症状である。
- 原因の一つは、加齢などでパイプ内の「黄色靭帯」が分厚くなり、内側からスペースを埋めてしまうことにある。
- 症状を悪化させる最大の引き金は「腰を反らす姿勢」であり、これが物理的にパイプを最も狭くしてしまう。
- 対策として、無理に背筋を伸ばさず「少し前かがみ」で過ごすことや、パイプを広げる「自転車運動」を取り入れることが、生活の質を守る知恵となる。
病名がつくと不安になりますが、構造と理屈が分かれば、怖がる必要はありません。
「痛くない姿勢」を探し、それを生活に取り入れていくことが、長く自分の足で歩き続けるための秘訣です。
無理をせず、ご自身の体にとって一番心地よいバランスを見つけていきましょう。
こころ鍼灸整骨院



