朝起きたら首が激痛!「寝違え」を繰り返す本当の原因は【脇の下の硬さ】と【寝返りの質の低下】にあった!

東角剛司

東角剛司

テーマ:身体の痛み・不調

みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。

「朝、起き上がろうとした瞬間、首に電気が走ったように痛い!」

「首が全く回らず、ロボットのような動きしかできなくなってしまった」

「年に何度も寝違えを繰り返していて、もう癖になっている気がする…」

そんな、突然やってくる激烈な首の痛み、「寝違え」に悩まされていませんか?

一度や二度の寝違えは、誰にでも起こりうることです。

しかし、もしあなたが何度も繰り返しているのであれば、それは単に「運が悪かった」「変な姿勢で寝てしまった」という偶然の出来事ではないかもしれません。

その背景には、あなたの睡眠中の環境や、日中の体の使い方に、寝違えを引き起こさざるを得ない「根本的な要因」が潜んでいる可能性が非常に高いのです。

今回は、そんな「繰り返す寝違え」の本当の要因、特に見過ごされがちな【脇の下の筋肉の硬さ】と【睡眠中の寝返りの質の低下】に焦点を当て、そのつらい連鎖を断ち切るためのヒントについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。

そもそも「寝違え」とは何が起きているのか?


寝違えは、睡眠中に首周りの筋肉や靭帯、関節に無理な負担がかかることで、急性の炎症や軽い肉離れを起こしてしまっている状態です。

いわば「首の捻挫」のようなもの。

特に、肩甲骨から首にかけてついている「肩甲挙筋」という筋肉が損傷しやすく、ここを痛めると「首を回す」「上を向く」といった動作が非常に困難になります。

問題は、なぜ睡眠中という、本来体を休めているはずの時間に、このような損傷が起きてしまうのか、という点です。

寝違えを引き起こす、2つの隠れた要因


寝ている時の姿勢が直接の引き金になることは事実ですが、その姿勢になってしまう、あるいはその姿勢から抜け出せない「体の状態」にこそ、目を向けるべきです。

1.首の動きを妨げる「脇の下・背中側の筋肉の硬さ」


これが、寝違えを繰り返す方の多くに見られる、意外な要因です。

「首の痛みと脇の下が関係あるの?」と思われるかもしれませんが、体は全て繋がっています。

特に、脇の下から背中にかけて広がる「広背筋」や、肩甲骨の動きに関わる「前鋸筋」といった筋肉は、腕や肩甲骨を介して、首の筋肉と密接に連動しています。

・デスクワークで腕を前に出し続けている
・猫背や巻き肩の姿勢が癖になっている

このような状態が続くと、脇の下や背中側の筋肉がガチガチに硬くなってしまいます。

これらの筋肉が硬くなると、睡眠中に腕を上に上げるような「バンザイ寝」の姿勢になったり、横向きで寝た時に下にある肩が過度に圧迫されたりして、肩甲骨が不自然な位置でロックされてしまいます。

肩甲骨の動きが悪いまま、無意識に頭の位置を変えようとすると、逃げ場を失った力が首の筋肉に集中し、ブチッと微細な損傷を引き起こしてしまうのです。

2.血行不良を招く「寝返りの質の低下」


私たちは、一晩のうちに20回以上もの「寝返り」を打つと言われています。

寝返りは、睡眠中に同じ部分が圧迫され続けて血行が悪くなるのを防ぎ、体の歪みをリセットするための、非常に重要な生理現象です。

ところが、

・精神的なストレスや、極度の肉体疲労
・深酒をした後
・体に合わない、狭すぎる寝具

といった要因があると、この寝返りの回数が極端に減ってしまいます。

寝返りが少ないと、長時間にわたって首の片側の筋肉が圧迫され続け、血行が著しく悪化します。

血行不良で酸欠状態になった筋肉は非常に硬く、そして脆くなっています。その状態で、朝方、少し動かそうとしただけで、簡単に炎症を起こしてしまうのです。

もし寝違えてしまったら?やってはいけないNG行動


まず、寝違えが起きてしまった直後の、正しい対処法を知っておくことが重要です。

・NG①:無理にストレッチする → 炎症を悪化させます。痛みの範囲が広がる可能性があるので絶対にやめましょう。

・NG②:痛い部分を強く揉む → 傷ついた筋繊維をさらに破壊し、回復を遅らせます。

・NG③:温める → 炎症が起きている急性期(発症から1~2日)に温めると、血流が促進されすぎて、かえって痛みが増すことがあります。ズキズキと痛む場合は、氷嚢などで15分ほど冷やすのが適切です。

寝違えを繰り返さないための予防セルフケア


痛みが落ち着いてきたら、再発を防ぐためのケアに切り替えましょう。

1.隠れた要因を解放する「脇の下のばしストレッチ」


硬くなった脇の下から背中を伸ばし、肩甲骨の動きをスムーズにしてあげましょう。

1.四つん這いになります。手は肩幅、膝は股関節の幅に開きます。

2.片方の手を、反対側の腕の下をくぐらせるように、遠くへ伸ばしていきます。

3.肩や頭を床につけ、お尻は高い位置をキープします。

4.肩甲骨の間や、脇の下、背中側が気持ちよく伸びているのを感じながら、深呼吸と共に20~30秒キープします。

5.ゆっくりと四つん這いに戻り、反対側も同様に行います。

2.寝返りをサポートする「寝具の見直し」


枕の高さが合っていることは大前提ですが、マットレスや敷布団も重要です。

柔らかすぎて体が沈み込む寝具は、寝返りの妨げになります。

適度な硬さと反発力があり、スムーズに体を回転させられるものを選びましょう。

また、一人で寝る場合でも、肩幅プラス左右に20cmずつくらいの、十分なスペースを確保することも大切です。

まとめ:寝違えは「睡眠の質」と「日中の姿勢」を見直すサイン


さて、今回は「朝起きたら首が激痛!『寝違え』を繰り返す本当の原因は【脇の下の硬さ】と【寝返りの質の低下】にあった!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?

突然の激痛である寝違えが、単に運が悪かったのではなく、日中の姿勢からくる「脇の下の硬さ」や、疲労やストレスによる「寝返りの質の低下」という、具体的な要因によって引き起こされていたことを、ご理解いただけたかと思います。

その痛みは、あなたの体が「日中の体の使い方が、睡眠にまで影響していますよ!」「もっと質の良い休息が必要ですよ!」と教えてくれている、重要なサインなのです。

では、今日のポイントをまとめます。

  • 繰り返す寝違えは、偶然ではなく、体に潜む根本的な要因によって引き起こされる。
  • 主な要因の一つは、デスクワークなどで硬くなった「脇の下や背中の筋肉」で、これが肩甲骨の動きを妨げ、首に負担を集中させる。
  • もう一つの要因は、疲労やストレスによる「寝返りの質の低下」で、これが首の筋肉の血行不良を招き、筋肉を傷つきやすくする。
  • 予防には、脇の下のストレッチで体の連動性を改善することや、寝返りがしやすい寝具環境を整えることが非常に重要である。


一日の疲れをリセットし、明日への活力を養うための睡眠時間。

その質を高めることが、寝違えというつらい痛みから解放されるための、最も確実な道です。

まずは今日ご紹介したケアで、ご自身の体と睡眠環境を、もう一度見直すことから始めてみてください。

痛みのない、スッキリとした朝を迎えるためのヒントは、日常生活の中に隠されています。

こころ鍼灸整骨院

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東角剛司
専門家

東角剛司(柔道整復師・はり師・きゅう師)

こころ鍼灸整骨院

構造医学の視点から、個々の体の動かし方に合わせて骨格を整えます。肩や腰などの慢性的な痛みに向き合い、整骨院に通わずに済む健康な体づくりをサポート。実務者向けのセミナーも開催しています。

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