顎関節症の悩み|「カクカク音」「口が開かない」原因とセルフケア
みなさん、こんにちは!
こころ鍼灸整骨院の東角です。
「仕事終わりには、首から肩にかけて鉄板が入っているようにガチガチ…」
「マッサージに行っても、その場は楽になるけど、翌日には元通り」
「首がこりすぎて、頭痛や吐き気までしてくることがある」
そんな、何をしても改善しない、しつこい「首こり」に悩まされていませんか?
首は、ボーリングの球ほどの重さ(約5~6kg)もある頭を、一日中支え続けている、非常に健気で重要な部分です。
この細い首に、間違った負担がかかり続ければ、こりや痛みが発生するのは当然と言えます。
多くの方が、こっている部分を揉んだり叩いたりしますが、それはあくまで一時的な対症療法に過ぎません。
なぜなら、あなたの首が「こらざるを得ない状況」に追い込まれている、根本的な原因が解決されていないからです。
その背景には、無意識のうちに定着してしまった「頭の位置の異常」と、それを支えるべき「深層筋の機能不全」が隠れている可能性が非常に高いのです。
今回は、そんな「もみほぐしてもすぐに戻る首こり」の根本原因、特に見過ごされがちな【あご突き出し姿勢】と【首のインナーマッスルの衰え】に焦点を当て、本当の意味で「こらない首」を取り戻すためのヒントについて、みなさんと一緒に詳しく見ていきたいと思います。
あなたの首は「ボーリングの玉」を支えている
まず、私たちの首がどれほどの重労働を強いられているか、想像してみてください。
大人の頭の重さは、体重の約10%、平均して5~6kgにもなります。これは、ボーリングの玉1個分に相当します。
背骨の真上に頭がきちんと乗っている「良い姿勢」であれば、この重さを骨格でうまく支えることができます。
しかし、頭の位置が少しでも前にズレると、話は全く変わってきます。
物理の法則で、頭が前に15度傾くだけで、首にかかる負荷は12kg、30度で18kg、そしてスマートフォンを見る時のように60度も傾くと、なんと27kgもの負荷がかかると言われています。
これは、小学校低学年の子供を、常に首の上に乗せているようなものです。
これほどの負担が毎日かかり続ければ、首の筋肉が悲鳴を上げるのも無理はありません。
あなたの首を蝕む、2つの根本原因
では、なぜ頭が前に出てしまうのでしょうか。
その原因は、現代生活に深く根差した「姿勢の癖」と、それに伴う「筋肉のアンバランス」にあります。
1.諸悪の根源!無意識の「あご突き出し姿勢(スマホ首)」
これが、現代人の首こりを引き起こす、最大の原因です。
パソコンのモニターを覗き込んだり、スマートフォンの画面を長時間見続けたりする時、私たちの頭は無意識のうちに体の中心線よりも前に突き出てしまいます。
頭が前に突き出ると、重い頭が前に落ちないように、首の後ろから背中にかけての筋肉(僧帽筋や頭板状筋など)が、必死にブレーキをかけ続けなければなりません。
まるで、傾いた柱をロープで必死に引っ張り続けているような状態です。
この「常に力が入っている」状態が、筋肉を過度に緊張させ、血行を著しく悪化させます。
血行が悪くなった筋肉は酸欠状態に陥り、痛みやこりを引き起こす老廃物を溜め込み、ガチガチに硬くなってしまうのです。
あなたが無意識に行っている「あご突き出し姿勢」こそが、首の後ろの筋肉に、休む暇を与えない元凶なのです。
[中見出し]2.首の天然コルセットが機能不全!「深層屈筋群の衰え」[/背景黄色]
首こりに悩む人の多くは、首の後ろ側の筋肉ばかりを気にしますが、実は問題の根源は「首の前側」の、それも深層部にある筋肉の弱さにあります。
首の骨(頸椎)の前側には、「頸長筋」などの「深層屈筋群」と呼ばれる、小さなインナーマッスルがあります。
これらの筋肉の重要な役割は、重力に対して頭が前に落ちないように支え、頸椎を安定させる「天然のコルセット」です。
ところが、あごを突き出す姿勢が癖になると、この首の前側のインナーマッスルは使われることがなくなり、どんどん弱って「サボり癖」がついてしまいます。
天然のコルセットが機能しなくなると、体は仕方なく、首の後ろ側や表面にある大きなアウターマッスル(僧帽筋など)を使って、頭を無理やり支えようとします。
しかし、アウターマッスルは、本来このような持続的な支えには向いていません。その結果、すぐに疲弊し、過緊張を起こしてしまうのです。
「こらない首」を取り戻す!根本改善セルフケア
しつこい首こりを根本から改善するには、「前に出た頭を正しい位置に戻す」ことと、「サボっているインナーマッスルを再教育する」ことが不可欠です。
[中見出し]1.突き出したあごを引く練習「チンタック・エクササイズ」[/背景黄色]
前に突き出た頭を正しい位置に戻し、同時に首のインナーマッスルを鍛える、最も基本的で重要なエクササイズです。
1.壁を背にして立つか、椅子の背もたれに寄りかかり、後頭部を壁(背もたれ)につけます。
2.背筋を伸ばし、目線はまっすぐ前を向きます。
3.ゆっくりとあごを引き、後頭部を壁に押し付けるようにします。二重あごを作るようなイメージです。
4.首の後ろ側が、心地よく伸びているのを感じながら、その状態で5秒キープします。
5.ゆっくりと力を抜き、元の位置に戻ります。これを10回ほど繰り返しましょう。
※デスクワークの合間などに、気づいた時に行うのが効果的です。
[中見出し]2.固まった胸を開く「肩甲骨寄せストレッチ」[/背景黄色]
首の位置は、背中や肩甲骨の状態と密接に関係しています。背中が丸まっていると、自然と頭は前に出てしまいます。
1.椅子に座るか、楽な姿勢で立ちます。
2.体の後ろで両手を組みます。
3.ゆっくりと息を吐きながら、左右の肩甲骨を中央に「寄せる」意識で、ぐーっと胸を張ります。
4.組んだ手を、少しずつ床の方へ下ろしていくと、さらに胸や肩の前側が伸びるのを感じられます。
5.気持ちよく伸びる位置で、深呼吸をしながら15~20秒キープします。
まとめ:首こりは「頭の置き忘れ」への警告!定位置に戻してあげよう
さて、今回は「マッサージしてもすぐ戻る『首こり』、本当の原因は【あご突き出し姿勢】と【首のインナーマッスルの衰え】にあった!」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
あなたの長年の悩みであった首こりが、単に筋肉が硬いという結果ではなく、無意識の「あご突き出し姿勢」が首に過剰な負担をかけ、「首のインナーマッスル」がサボっていたことが根本原因であることを、ご理解いただけたかと思います。
その痛みやこりは、あなたの体が「頭が前に置き忘れられていますよ!」「首のコルセットが緩んでいますよ!」と教えてくれている、大切なサインなのです。
では、今日のポイントをまとめます。
- しつこい首こりの根本原因は、マッサージでは届かない「姿勢」と「インナーマッスルの衰え」にある。
- スマホやPCによる「あご突き出し姿勢」は、首にかかる負荷を数倍に増やし、首の後ろの筋肉を常に過緊張させる。
- 本来、首を支えるべき前側のインナーマッスルが弱ることで、外側の筋肉が過剰に働き、疲弊してこりを生み出す。
- 改善には、「チンタック」で頭を正しい位置に戻し、インナーマッスルを再教育すること、そして胸のストレッチで丸まった背中をリセットすることが不可欠である。
私たちの体は、日々の小さな癖の積み重ねによって形作られています。
今感じている首のつらさは、決して昨日今日に始まったものではありません。
まずは今日ご紹介したケアを、デスクワークの合間や一日の終わりに、ご自身の首をいたわる時間として取り入れてみてください。
頭を正しい「定位置」に戻してあげることが、つらいこりからの解放、そして軽やかで快適な毎日を取り戻すための、最も確実な一歩となるはずです。
こころ鍼灸整骨院



