ナプキンを深堀してみる

石田宙子

石田宙子

テーマ:品格ある西洋料理のテーブルマナー

当たり前の所作が 当たり前にできるからこそ そこに自然な所作と 品格が見えるものです
日常 この当たり前の所作を日頃の習慣に

テーブルナプキンについて ”使う” 事をお話したいと思いますが まず最初に

西洋料理のテーブルマナーで ナフキンの扱いについて 置き方など 知られていることは多いかと思います

例えば 中座(離席)する際(基本的に食事中の中座は 避けた方が良いのですが)
置く位置は 椅子の上(背もたれに掛けないように)



例えば 食事後は テーブルの上に置くこと

畳んでおかないこと

など知られているかと思います

中座の際は 椅子の背もたれに掛けるなどすると 後ろを通る方が引っ掛けて落とさないようにするため
テーブルの上は もしお料理が運ばれたりした際に 置けなくなる事から 椅子のクッションの上になるということです

食事後は テーブルの上に 食事が運ばれることがないこと

また綺麗に畳むことは 最後は綺麗に終える(給仕 片づけは最後 = 二度と来ない = 不味かった)

という意味になるからです

日本では 綺麗に終えること も大切な事になりますので ついつい 簡単であっても 畳む方がいらっしゃいますが 特に西洋では このサインは見逃しません

真ん中を持って ポンと置いていただく程度にしましょう

そして ここからが本題です

映画などを見て 西洋で テーブルナプキンをよく使うシーンを見ることはありませんか?
カジュアルなバーガーなどでも 豪快に ペーパーナプキンで口を拭うシーン

そう、日本では 汚さない ことを 重視する傾向があるように思います

勿論 むやみに口の周りを気にせず汚し それを拭うことは 良くないことです

でも 綺麗すぎるのは 落ち着いて食事している = 五感に響いていない という意味にもなります

カトラリーの扱いがとても上手で 落ち着いている方でも 手元が少し狂うくらい 美味しい時は 口元が汚れても良いものです
(もちろん 限度はありますが)

また、ナプキンを使うタイミングとして 大切なのは

グラスに向かう前には 必ずナプキン です

よくグラスに 油膜の唇の後が残る事をご質問頂きますが

グラスを持つ前には ナプキン です

西洋料理は 脂質や クリームなど 唇に油膜が張るものです

そのまま グラスに口を付けると 曇った唇の後が残るのは お分かりかと思います

ですので、 その前に ナプキンで 油膜を押えてから グラスを持つ


こうやって使われたテーブルナプキンは 

五感と 手元が 揺らぐほど美味しかった

また グラスを汚さない 物を大切にする心のある 品格に繋がるのです

グラスのように 繊細な薄いガラスは 洗うことも拭く事も とても繊細です

そこに 油膜の唇の後は 美しくもなく 扱う方を戸惑わせるものです

良いレストランに 行くことは お金を払えれば行くのではなく そういった所作を 遂行しようと思う気持ちを連れていってほしい

そのためにも 日常のカジュアルな時から ペーパーナプキンでも ”使う” 練習をしてみたいものですね

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石田宙子
専門家

石田宙子(マナー講師)

北浜サロン

和の立ち居振る舞いから、国際社会で通用するプロトコールまで、大人の日本人として美しい所作と心のゆとりを身に着けるための稽古を基本から丁寧に、少人数制で行います。

石田宙子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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