上品なようで間違いがちなテーブルマナー1 手皿ー食べ物を口に運ぶ際、手で受ける 添える事

石田宙子

石田宙子

テーマ:品格ある日本料理の食卓作法(テーブルマナー)

テーブルマナーとは、周りに不快にさせない他 特に日本料理(和食)では、器を大事に扱うことや、食べ物に対しての敬意
その心の持ち方と所作が、噛み合ってこそ 本当の品格のある大人のテーブルマナーとなるものです
見せかけだけの所作は、不自然 薄っぺらいものになりますし、心があっても 動きに反映していないと相手や物に伝わりません

さて、タイトルにある手皿とは?
食べ物を口に運ぶ際、手で受ける 添えること 別名 

手盆

 とも言います

よく見る光景かもしれませんがどうしてダメな動きなのでしょうか?

手皿

 
手皿

それは、

手は、受けるものではなく、使うものです 
神聖な手は、使うためのものであり、何かの代わりにするものではありません

お食事の前、日本では ”いただきます” と声を掛けますが、これは誰に向かって行っているものかご存知ですか?
豊かな時代には、食材が溢れていますので、つい見失いがちになりますが、これは、

”食材の命をいただきます”

 の省略なんです
動物 魚介類はもちろんのこと、野菜にも命があり、その命を頂く
重いと思われるかもしれませんが、ご自身に当てはめてみるとよくわかりますよね
そんな真剣勝負の日本食の考えでは、やはり手や口を清めてから、食事に臨む


昔であれば、それが 蹲(つくばい)の水にて手と口を清める習慣であり
(もちろん今でも蹲を使われているところは沢山ありますが)
お宮さん(神社)の入り口にある手水と同じことですね
神様に会う前に、塵や埃 穢れを清めてから(手と口をゆすいでから)入る
これが現代になって、”ご飯の前は手を洗いましょう”
または、料理屋さんで御絞りで手を清めてから、食事をする
という習慣に変わってきたのです
そんな清めた手を、受け皿 受け盆 にしてはいけません
癖になって、ついつい受けてしまう

では、どうしたらいいのか?
手に収まる器であれば、持って受けましょう
お刺身やてんぷらのように大きな切り身であれば、お醤油の入った小さな器を持っても構いません

御皿はそのためにあるのです
日本料理のテーブルマナーの特色と言える
”器を持ち上げてよい” ルール

また、持ち上げられないときは?
懐紙を取り皿扱いで、受けても美しいと思います
懐紙は、物を押えたり 挟んだり また、汗を拭いたり 御口元を隠すにも便利です

また、蓋裏に蒔絵がないようなお椀の蓋であれば、取り皿代わりにしてもいいでしょう
道具があるのに、手で受ける必要もありませんし、また手に食べ物が落ちた際
手は色々なものを触っていて、衛生的にも美しくありませんね
出来る大人は、そうやって工夫が出来る 考える力がある

柔軟な思考と行動力 そして、日常に行っているからこそ
身に付いている自然な動き

そして、そのアイデアと所作の美しさが 本当の品格ある人
ではないでしょうか??

上品なようで間違いがちなテーブルマナー2 器の扱いで見える知
上品なようで間違いがちなテーブルマナー3 線でなく点で動かす

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石田宙子
専門家

石田宙子(マナー講師)

北浜サロン

和の立ち居振る舞いから、国際社会で通用するプロトコールまで、大人の日本人として美しい所作と心のゆとりを身に着けるための稽古を基本から丁寧に、少人数制で行います。

石田宙子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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