不動産会社と消費者の情報格差を埋めるための伴走型コンサルティング
(暮らしと道路)
道路は私たちの暮らしには欠かせない生活基盤の一つです。自宅から駅や買い物に出かける時や、自動車で外出の際には必ず道路を通行します。そして、殆どの住宅地は道路に接道しており、そうでなければ日常生活は立ちいかなくなることでしょう。
企業が行う経済活動でも同様です。例えば、物流施設を取り上げてみましょう。近年はコロナ渦もあって宅配便などの利用率も増加し、物流施設用地へのニーズは極めて旺盛です。物を効率的に運ぶには道路へのアクセスは絶対条件で、その使い勝手の良さや効率性が一層求められ、その差が土地価格を大きく左右しています。
このように、私たちの生活や企業活動において日常的に利用し、また、殆ど意識することなく、そこから得られる便益や効用を享受しているもの、それが道路です。
(道路の機能・役割)
ここで改めて、道路の機能や役割を考えてみましょう。一つ目は、人々の生命や身体の安全を守る機能です。建物やその周囲で火災や地震などが発生した場合、人々は安全な場所に避難しなければなりません。そのための避難路になるのが道路であり、同時に緊急車輛等の進入路の役割も果たします。つまり、防災上の観点から極めて重要な空間になっています。
二つ目は、既述のように市民生活や企業活動がスムーズに機能するために欠かせない基盤です。また道路の地下空間には、給排水管やガス管などの生活関連施設に加えて、地下鉄の軌道なども敷設されており、インフラの受け皿として重要な役割を担っています。
三つ目は、快適な生活環境の確保です。建物は道路に面することで、日照、通風、眺望などの恩恵を享受でき、それが快適な住環境に繋がっていきます。道路空間がなければ、そのような快適性が失われ、健康で文化的な生活は難しくなるでしょう。
(道路の種類)
普段、私たちが「道路」と呼ぶものは、実に多くの法律を根拠に造られ、維持管理されています。法律によって、道路の定義に違っており、その全てが建築基準法の道路ではありません。
道路法による「道路」
道路交通法による「道路」
道路運送法による「道路」
建築基準法による「道路」
車庫法による「道路」
刑法(往来妨害罪)による「道路」
不動産登記法による「公衆用道路」
固定資産税・都市計画税における公共の用に供する「道路」
一方、現状は通路として利用され、見た目は道路のようですが、実は建築基準法の道路ではないただの道、いわゆる通路扱いのものがあります。
それには、農道・林道・里道、堤防道路、臨港道路などがあります。これらの道の多くは、国・都道府県・市町村などが管理していますが、路線認定を受けていません。但し、路線認定を受けている場合には建築基準法の道路になります。
また、建築基準法が施行された昭和25年11月23日(基準日)以降、私人(公的な地位や立場を持たない一個人、一般人)が築造した幅員4m以上で道路位置指定を受けてない道や、幅員4m未満で基準日のときに建物が立ち並んでいなかった道、基準日以降に私人が造った幅員4m未満の道なども、建築基準法の道路にはあたりません。
以上