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菊池浩史

「住まい×消費者×教育」のハイブリッドを目指す専門家

菊池浩史(きくちひろし)

住まいの消費者教育研究所

コラム

自宅の将来がご心配のシニアの皆さま、「お家のエンディングノート」を使って住まいの終活を始めませんか。

2021年12月15日

テーマ:住まいの終活

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: エンディングノート空き家対策相続 手続き

住まいの終活の必要性が理解できても、何から、どうやって始めたらいいのかが分からないというケースも少なくないのではないでしょうか。

今回は、その指南書的な役割を担う「お家のエンディングノート」をテーマに、同ノートを使う目的と内容について説明致します。

エンディングノートについては、聞いたことがある人は多いのではないかと思います。終活の定番メニューの一つと言えます。万が一に備え、家族や友人に伝えておきたいことや自分の希望などを書き留めておく、自分の人生の終末について記したノートです。その主な内容は次のようなものです。
・自分の基本情報
・財産や資産のこと
・身の回りのこと(例えば、SNSなどのID、パスワードなど)
・家族や親族との思い出や感謝の気持ち
・親しい友人や知人との思い出や感謝の気持ち
・医療や介護のこと(延命措置の判断、持病や服薬情報など)
・葬儀やお墓のこと
・相続や遺言書のこと(保管場所など)
・自分の親族や親しい友人などの連絡先など

では、「お家のエンディングノート」はエンディングノートとどのような違いがあるのでしょうか。上の項目の内、財産や資産を中心とした不動産に特化したノートと思って下さい。

「お家のエンディングノート」には次のような目的があります。
①資産の棚卸し
自宅の不動産について、知っていそうで実は知らないことが意外に多くあります。まず資産の把握と整理がスタートです。
②情報の整理と共有のツール
棚卸しをした情報を家族会議などの場で関係者が共有するのに便利です。また次世代への引き継ぎ書としても使えます。
③住まい観やライフプランを考える契機
住まい観やライフプランを書き記すことによって、住まいの終活に対する意識や具体に」行動に繋がる可能性が高まります。
④住まいの終活のペースメーカー
ペースメーカーとしての役割です。住まいの終活は初めてという方が殆どです。ナビゲーター(道先案内人)的なものがあれば随分と助かるはずです。

「お家のエンディングノート」は、特に様式や内容が統一されてはいません。一例を挙げると以下のような項目があります。

1.お家の歴史や思い出
これまで暮らしてきたお家の歴史を振り返りながら、心に残った出来事を記します。
2.ご自身のこと
名前、生年月日、住所、本籍、連絡先など
3.家系図
お家の歴史が分かると同時に、相続人などの確認をします。
4.お家のこと
どのような不動産があるかを調査します。まずは書類を取り寄せ、土地や建物の名義人、地番や面積などを確認します。不動産としての問題点なども調べておきます。
5.お家をどうしたいかということ
生きている間はどうしたいのか、相続する場合はどうしたいか、という考えをまとめておきます
6.決めておきたいこと
生きている間にやること、相続をスムーズに進めるために準備しておくことを決めておきます。

「お家のエンディングノート」は、終活のエンディングノートのように認知度が高くありません。その向上が課題の一つです。それには、比較的認知度が高い終活と関連づけて周知することが有効だと考えます。例えば、高齢者が多く集まるような機会を活用する方法もあります。その際は見本を示すなど具体的なイメージを掴んでもらうことが重要です。

まずは、お気軽な気持ちで「お家のエンディングノート」の作成から始めませんか。

この記事を書いたプロ

菊池浩史

「住まい×消費者×教育」のハイブリッドを目指す専門家

菊池浩史(住まいの消費者教育研究所)

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