住まいの終活、いつから始めればいいの?
株式会社家いちば(社長藤木哲也様)様とシニアの住まい研究所の間で、11月1日にパートナーシップ契約を締結しました。その目的は、それぞれの顧客を相互に紹介して空き家の売買を促進しつつ、住まいの終活に関するサービス利用の促進を図るなど、顧客の住まいに纏わるニーズに応えることです。
住まいの終活で重要なポイントは出口戦略です。自宅の売却を選択した場合に、市場性が高ければともなく、そうでないと売却に時間と費用を要します。その挙句に売却できないまま塩漬けになりかねません。
売却しづらいとか低価格でしか売れない不動産は、費用対効果の理由から多くの不動産業者は敬遠しがちです。当研究所にとっても、このような自宅を所有する顧客へのサービス提供は懸案でした。今回の㈱家いちばとのパートナーシップによって、少しでも解消に繋がることを期待しています。
家いちば様のビジネスモデルは、セルフサービスと専門家のサポートの双方を備える新しい空き家の流通モデルと言えます。
物件の掲載、商談、交渉は売主と買主同士で行なうセルフサービス方式で、商談がまとまった後に重要事項説明書や契約書類の作成などの業務を専門家の宅地建物取引士が行うことで取引の安全を担保します。仲介手数料は通常の半額、同社HPへの広告掲載料は無料、他には基本料として売主8万円、買主6万円を負担します。
空き家を売りたい人は、家いちば様へ直接に物件情報を投稿して、買いたい人はそれを見て直接売主に問い合わせるシンプルで新しいマーケットの形成を目指しています。物件情報の説明文には、売主の物件に対する思いが綴られており、売主の人となりを窺えます。
売主と買主に仲介業者が付き、仲介業者同士が交渉し、契約時に売主と買主が初めて顔を合わす従来のスタイルとは大きく異なっています。同社の藤木社長の著書「空き家幸福論(日経BP社2020年)の帯には大前研一氏が「空き家のメルカリ」と書かれており、不動産のフリマと言えます。
一方、シニアの住まい研究所は、住まいの終活の普及を促進し空き家を作らない社会を目指しています。住まいの終活の選択肢として、生前は現状のままで維持管理、改修して維持管理、建物付きで賃貸、更地にして賃貸、建物付きで売却、更地にして売却、生前贈与などがあります。また、相続後は相続人への承継、相続財産の売却などの選択肢があります。
そこでの問題は、既述した流動性の低い不動産が出口戦略で行き詰まり、その結果、空き家期間の長期化から空き家の管理不全を招き、近隣に迷惑を及ぼしてしまう悪循環に陥ることです。こういった潜在的な放置空き家にこそ何かしらの出口戦略が必要になります。
このような経緯からシニアの住まい研究所にとり家いちば様とパートナーシップを組むことは課題解決に有効な戦略になると判断しました。多くの不動産業者と異なりニッチな分野に特化する独自性が魅力です。
これを空き家を作らない社会への一歩にしたいと考えています。