自宅の将来がご心配のシニアの皆さま、「お家のエンディングノート」を使って住まいの終活を始めませんか。
介護業界は、業界平均の人件費割合が約60%(※)と典型的な労働集約型産業の一つと言えます。※TKC経営指標速報版(サービス業)令和2年12月決算~令和3年2月決算による)
そこで高齢者住宅の人件費と利用料金の間に相関関係があるかどうかを定量分析しました。
2021年4月1日時点で(公社)全国有料老人ホーム協会に登録している88か所(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)の介護付き有料老人ホームのデータを使って、月額換算利用料金と職員配置比率の相関関係を分析しました。月額換算利用料金とは、入居一時金を償却月数に応じて月額に割り戻し、それに通常の月額料金(家賃、管理料、食費、上乗せ介護料など)に加算した金額です。また介護保険法では、入居者一人当たり常勤換算で三人以上の看護職員と介護職員の配置が義務づけられています。例えば100名の入居者がいれば常勤換算で34名が必要となります。そして手厚いサービスをするために入居者一人当たり常勤換算で二人の配置にすると34名を50名に増員しなければなりません。通常、こういった人員増は利用料金に転嫁されます。
それでは下の散布図をご覧ください。88か所のデータを図式化したものです。配置比率と月額費用の間には緩やかではありますが相関関係が認められます。人手が手厚くなればなるほど利用者の負担も大きくなることが読み取れます。
高齢者住宅の利用料金の構成は、サービス内容や人件費以外に土地代(地代)や建設費(家賃)にも大きく影響されますが、手厚い介護を受けようとすれば応分の負担を伴います。この事実はしっかりと押さえて、それぞれの事情にあった高齢期の住まい選びが必要です。