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菊池浩史

「住まい×消費者×教育」のハイブリッドを目指す専門家

菊池浩史(きくちひろし)

住まいの消費者教育研究所

コラム

有料老人ホームの価格はどのように比べるか

2020年10月17日 公開 / 2021年2月18日更新

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: バリアフリー 工事資産管理不動産管理

「有料老人ホームの価格の仕組みは複雑で難しい。料金の比較方法がわからない。」といった疑問をよく聞きます。どのように比較すれば分かりやすくなるでしょうか。

一般住宅は、売出価格や賃料が明示され、有料老人ホームに比べ分かりやすい表示と言えます。
土地と建物の価格を中心に経費と利益から売出価格は構成され、売買代金〇〇円、賃貸では敷金や礼金と賃料〇〇円と共益費●●円と表示されます。また価格や賃料の水準は、主に立地と建物スペックで決まってきます。

一方、有料老人ホームの場合はどうでしょうか。立地と建物スペックに加えサービス内容や水準が大きく影響する点が、一般住宅と大きく異なります。多くの有料老人ホームでは、「前払い一時金+月額賃料+管理費」にサービスの対価である「介護保険料+サービス利用料」が加わります。

利用権と賃借権の違いこそありますが、有料老人ホームの価格体系は賃貸住宅と類似していると言えます。但し賃貸住宅の場合は賃料を中心に比較できますが、有料老人ホームは費用の内訳が多く、かつ名称の異なることが少なくありません。その中で、どのように比較すれば良いでしょうか。

ここでは「月額支払い費用」による比較方法を紹介します。
月額支払い費用とは、前払い一時金の償却対象金額について償却期間に応じた月額償却金額に、月額家賃、管理費、食費、上乗せ介護費(介護保険サービスを上回るサービスの対価)、その他費用(有料老人ホーム独自に提供されるサービスの対価)を加算したものです。実質的に月々負担する金額と捉えれば良いと思います。

同一のものさしを用いることで、費用負担の水準、有料老人ホーム間の比較、更には一般住宅との費用比較も容易になるのではないでしょうか。

この記事を書いたプロ

菊池浩史

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菊池浩史(住まいの消費者教育研究所)

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