立て爪の指輪の歴史を紐解いてみる

越野泰明

越野泰明

テーマ:ジュエリーのおはなし

当店でリフォームのご相談をお聞きさせていただくジュエリーの中で
圧倒的に多いのがこのデザイン。





立て爪 指輪リフォーム

「立て爪」だったり、中には「鬼爪」。

そして多くの人はこの指輪のことを

「昔ならではの指輪」とおっしゃります。

昔の婚約指輪ってほぼこのデザインに統一されてたんだろうなあ~
なんていつも考え、お客さまともお話させていただくのですが、

ふと、自分の頭に浮かんだ疑問・・・

「いったい、いつ頃からこの立て爪の指輪が登場したんだろう・・」

なかなか、それに対する答えは色々と調べましたが、見つかりません。

ご存知、ティファニー社が1800年代の後半に、このような指輪を
作り出した歴史はかかれてますが、一体、日本ではいつの頃から・・?

お越しになるお客さまとの会話の中にヒントがあるのかなと・・

「自身の婚約指輪」は多いですが、それ以外に「お母さんから譲り受けた指輪」そして「おばあさんから譲り受けた指輪」

そんな声が聞かれます。じゃあ、その譲り受けたご本人のご年齢から
逆算してみると・・。

あくまでも推測の域ですが、戦後まもなく1955年ごろぐらいから、
こういう指輪が登場したのではないかと・・。

確かに戦時中は物資が困窮してたと聞きますから、こういう貴金属を
おくるなどという習慣は無かったかと・・。

ほんと、あくまでも推測ですよ。間違ってたらごめんなさい。。

そんな指輪の歴史を紐解いている時に思ったこと。

今、ご相談をいただくジュエリーのリフォーム。
そのジュエリーのルーツを辿ってみると、やはり「おばあさん」から譲り受けたもの。

どうしてもご相談者のご年齢が若くて30代ぐらい。
そうなると必然的に、「おばあさん」の世代が限界なのかなと・・。

言い換えるなら

「3世代に渡るジュエリー」となるわけです。

どうでしょう。これが100年先、200年先。
4代目、そして5代目、6代目。
と次世代に引き継がれていけば・・・。

「昭和の○○おばちゃんが使ってた宝石!」

今に、置き換えると、
「江戸時代の○○おばちゃんが使ってた宝石!」

何かすごくありませんか?

なかなか、そうやって身の回りで子孫に残せるものってあるでしょうか?

もしかしたら、ジュエリーってそんな役目を担える貴重なものになる
可能性が秘めてるのでないか?

そんな気がするんですよね。

そういう視点で宝石を捉えると、今、ボクがやってる仕事って重責だなあ~って思いますね。

でも、そうやって次世代に受け継がれるジュエリー作りのお手伝いが
できるのは幸せなことだと思います。

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越野泰明
専門家

越野泰明(ジュエリーデザイナー)

相談できる「宝石屋さん」-箕面のちいさな宝石屋-

アットホームなお店を意識し、出来るだけ敷居が高いというイメージを下げて、そして来店したお客さんの声にじっと耳を傾けながらお客さんの希望に添えるようジュエリーのリフォームや修理・オーダーメードに対応する

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