GW特集 いびきで社員の健康リスクが増加!? 企業が取るべき対策

樋口麻理

樋口麻理

テーマ:企業研修



1.GW明け、社員のだるさは経営リスク

GW明けの不調、その原因は“いびき”かもしれません。
ゴールデンウィーク明けのオフィス。
「なんか、社内の活気がなく、社員の元気がないな」そんなこと感じたことはありませんか?
「休みボケかな」と軽く流したくなるこの違和感。

流石に社内でこんな話はしにくく流していることがあるでしょう。
しかしそれが、睡眠の質の低下で中でも「いびき」が関係しているとしたらどうですか。
実はいびきは、単なる“うるさい音”ではなく、脳と体をしっかり休ませない深刻な睡眠障害のサインでもあります。
「寝ても疲れがとれない」「集中できない」「日中ぼーっとする」
これらはすべて、いびきによるパフォーマンス低下の兆候かもしれません。
そして見逃してはいけないのが、それが経営リスクに直結する可能性です。
このGW特別企画では、「社員のいびき」が会社の業績や人材流出にどんな影響を与えるかをわかりやすく解説します。

2. いびきの正体

いびきとは何か?それは呼吸の乱れによって発生する振動音です。
睡眠中に気道が狭くなり、空気の通りにくくなり喉の粘膜が振動して音が出ます。
この音こそが「いびき」です。
いびきにはさまざまな原因があります。
肥満、飲酒、寝姿勢、加齢、鼻炎、そしてストレスや筋力低下
など。
共通しているのは、いびきをかいているとき、睡眠の質が著しく低下しているということ。
浅い眠りであるレム睡眠中にいびきが発生しやすいというデータもあります。
いびきがあるということは、睡眠が深まらないまま何時間も過ごしているということ。これでは、体も脳も休まらないですよね。

3. 経営に潜む“いびきリスク”

いびきによって睡眠の質が落ちると、日中の集中力や判断力、感情コントロールが一気に低下します。
その結果、次のようなことが職場で起こっている可能性があります。
• 仕事中のケアレスミスが増える
• 重要な場面での判断ミス
• 会議中の集中力低下
• 社内の雰囲気がギスギスする(感情の不安定さ)

これらはすべて、業務効率やチームの生産性を下げる要因です。
いびきを放置すると、やがて慢性疲労や体調不良につながりメンタル不調や離職リスクまで上がります。
具体的に身体的な症状として、生活習慣病→重症化→三大疾病の発病リスクが高まります。
睡眠の不調は“個人の問題”ではなく、組織のパフォーマンスを揺るがす経営課題なのです。

4. 職場にあふれる“いびき予備軍”の見抜き方

「うちは若手中心の会社だし、いびきなんて関係ない」そう思っていませんか?
また、女性にはいびきをかくひとなんて…と思いこんでいませんか?
実は、いびきは太っている中高年男性だけの問題ではありません。
やせ型・若年層・女性でも、いびきをかく人は少なくありません。
特にストレスや疲労、スマホ依存による睡眠の質低下は、いびきを助長します。
日中に以下のようなサインに気づいたら、いびき予備軍の可能性を疑ってみてください:
• 会議中にウトウトする
• 午後の集中力がガクッと下がる
• 寝ても疲れが取れないと訴える
• ミスが増えた・物忘れが激しい

特に在宅勤務やテレワークでは同僚の変化に気づきにくく、本人も放置しがちです。
だからこそ、組織としての気づきとサポートが不可欠です。

5. 対策1:社員の「睡眠リテラシー」を上げる

まずは「知ること」から始めましょう。
睡眠の大切さや、いびきがもたらす健康リスク、日中の生産性との関係など、社員に広く情報を届けることが第一歩です。
• 睡眠講話や研修の実施
• 健康診断時のいびきチェック導入
• 社内ポスターやメルマガによる啓発

中には「自分がいびきをかいているなんて思っていなかった」という人も多くいます。
リテラシーを高めることで、本人の自覚と行動変容を促す土壌ができます。

6. 対策2:環境づくりと実践サポート

リテラシー向上に加え、実際に“眠れる環境”を整える支援も重要です。
• 睡眠に関する福利厚生(例:耳栓、アイマスクの配布、簡易仮
いびき以外に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」の兆候が見られる社員には、
医療機関の受診を促す制度も検討するとよいでしょう。

7. 企業が「いびき」に投資する意味

いびき対策は「個人のプライベート領域」と思われがちですが、
実際には次のような企業メリットがあります。
• 離職率の低下
• ミスやトラブルの減少
• 生産性の向上
• 社員満足度・エンゲージメントの上昇

「睡眠を大切にする企業文化」は、求職者へのブランディング

8. 経営者・人事が動くとき

このコラムを読んで「うちも何かしなければ」と思った方へ。具体的な第一歩はこうです。
• 睡眠研修の導入を検討する
• 社内アンケートで睡眠の実態を把握する
• 健康経営施策の一環として睡眠プログラムを取り入れる


いびきは“音の健康リスク”です。
放っておけば、社員の心身と会社の体力を静かにむしばんでいきます。


9. 音のない改革を、今

いびきや睡眠の問題を「個人の悩み」として片づけてしまう時代は、もう終わりました。
社員の睡眠状態は、企業の未来を映す鏡です。
弊社では、企業向けに【いびきと睡眠改善】に特化した講話・研修プログラムをご提供しています。
「社員の離職が気になる」「GW明けの不調が毎年の悩み」「健康経営を本気で進めたい」
そう感じた今が、第一歩を踏み出すタイミングです。

お気軽にご相談ください。経営者・人事担当者様のご要望に合わせた内容をお聴かせください。
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あなたの会社の未来を、“音のない改革”から始めましょう。



引用・参考
1.びきと睡眠の質が職場の生産性に与える影響
研究タイトル: Work Productivity Loss Associated with Sleep Duration, Insomnia Severity, Sleepiness, and Snoring
2. 睡眠の質と職場のパフォーマンス
出典: The Link Between Sleep and Job Performance - Sleep Foundation
3. いびきと健康リスク
研究タイトル: The relationship between sleep quality, snoring symptoms, night shifts, and stroke risk

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樋口麻理
専門家

樋口麻理(睡眠健康指導士)

株式会社印笑

医療・教育の分野を知る睡眠健康指導士が、生活や社会活動の基盤となる睡眠管理をテーマに自己実現や子育て、健康維持をサポート。笑顔で目覚めるツールの一つフェイスメソッドに基づいたエクササイズも提供。

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