【事例】コーチと一緒に取り組み方を考え、行動した結果から学んだこと(Ⅱ)
製造メーカーの企画部門のSさんの事例を紹介します。
Sさんがマネジャーになった時に実施した私とのコーチングのことを振り返って話していただきました。
マネジャーに求められるのはチーム全体の力を最大にすることと思い、部下一人ひとりの仕事内容や実務能力にだけ目がいってしまって、チーム全体の組織風土を把握することを怠っていました。
部下のなかで、ベテランで優秀な人物を自分の味方につけ、彼から部下たちの意見を聞くことでチームを把握している錯覚に陥っていました。そのベテラン社員の意見に左右されて意思決定を下すことになり、チーム全体の結束に悪影響を与えていたようです。
コーチと「チームの結束力を高めて、個人のやる気を高めチーム業績を伸ばす」というテーマでコーチングをスタートしました。もう一度、部下全員と個人面談を実施し、チーム風土に関する “本音” を聞くことができました。多くの部下がそのベテラン社員に気遣って、言いたいことが言えない風土になっていたようです。
そのベテラン社員と面談をして、彼が更に今後昇格していくのに必要な要件として、チームメンバー全員と公平に接して意見を聞くことの重要性を伝えました。振り返って自分も十分出来ていなかったことを詫び、お互いに協力し合ってリーダーシップ力を向上させていこうと約束し合いました。部下たちには何でも言い合える風土をつくるために、様々なテーマでオフサイトミーティングを繰り返し、互いがお互いを知り合える機会をつくりました。徐々に本音で話し合う雰囲気になってきたように感じます。