【事例】コーチと一緒に取り組み方を考え、行動した結果から学んだこと(Ⅱ)
①コーチングを受けたきっかけ
・会社契約。選抜者を対象にコーチングを実施している。
②テーマ
・職場風土改善。工場内の連携があまりよくない。全員が忙しくて疲れている。
・製造コスト削減
③期間
・半年間で10回。月1~2回実施。
④コーチング期間中の状況
・コーチングを受けて、製造工程のラインリーダーに対して細かく指示しなければ動かないだろうと思い込み、些細なことまでコントロールしていたことに気づいた。
・改善提案を提出するように指示していたが、「改善意識が弱いから出さないだろう」という認識をもっていた。それが相手に伝わっていたことに気づいた。
・何かミスなどあった時、「どうしてミスしたんだ?」と厳しく原因を追求していたが、「どう思う?/どう改善する?」などの質問に変えるようにした。
・初めは反応がなかったが、徐々に意見を言うようになった。意見には否定せず、意見を言ってくれたことに感謝を示すようにした。
・面談でも相手が話す時間を多く取るように意識した。
⑤コーチングの成果
・部下の行動が変わってきた。ラインリーダーと工程オペレーターが一緒になってラインの改造提案を自主的にしに来てくれた。主体的に業者と話し合いの場を持ち、見積りを取ることをしてくれた。部下が自ら提案してくれたのが初めてなので嬉しい。部下に主体性が出てきた。
・部下からのラインの改造提案や職場の改善提案をできるだけ採用し、実現に向けて主体的に取り組んでもらっているうちに製造コストが削減し始めた。
・ライン改造や職場改善の話合いのために工場内の情報交流が盛んになった。その会話が増えると、日頃の業務についても互いに協力し合うようになった。その結果、職場が明るくなった。
⑥感想
・部下に任すことが怖かった。「能力が低いと思っていた」からではなく、「何を考えているのかがわからない」から任さなかったことに気づいた。頭から「何を聞いても適切な回答が得られない」と思っていたが、そもそも彼らの考えを聞くことをしていなかったことに気づいた。部下の話を「聴く」とはこういうことだとわかった。