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女性の部下のパフォーマンスを引き出す(Ⅱ)

原島敏郎

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 【昨日からの続きです】

感情を理解し論理的に決めつけない

 ・例えば、うまくいかず“つらい”などのネガティブな感情をもつ場合、「そうか。つらいんだね」というように、相手がネガティブな感情をもっていることは認めてあげる。一旦受け止めてから今後のことについて一緒に考えるようにもっていく。
 ・いきなり「そんなこと言っていないで、先に進むことを考えて」などと即反応しないように。逆に一緒になって「そうだね。つらいよね」と同調してしまうと相手は増々しんどくなっていきます。
 ・同じ出来事でも人によって、受け止め方が違います。論理的にとらえる人は、多少“つらい”などと思っても、自ら「じゃあ、次につなげていくために、これから何をしようか」という思考になります。そこに違いがでる場合があることを理解してあげるのがいいでしょう。

日頃の気遣い

 ・女性社員によって、声掛けする回数に大きな差を付けない。依怙贔屓しない。
 ・一方的に指示するのではなく、意見や考えを聞いてから要望する。
 ・話を聞いてあげる場づくりをしてしっかり聞く。「食事を誘うなどの(形式的な)気遣いをしているからそれで大丈夫」と思わない。食事の時の会話が大切。その時もこちらが一方的に話をするのではなく、相手の話を沢山聞く。
 ・日頃から「互いにフォローし合うチームにする」と徹底しておき、体調のすぐれないときに休みやすいようにしておく。
 ・基本的にこちらから相手のプライバシーについて聞くのは非常にデリケートなことです。しかし知っておいた方が両者にとっていいこともあります。例えば親の介護をしている、小さなお子さんがいる、家族に病気の人がいるが、仕事の関係で急きょ休むわけにいかないので困っているなどです。言いたくても言えない人もいますので、「上司として知っておいてほしいことがあったら、遠慮なく言ってください」と日ごろから伝えておくことも大切です。

 こういうような職場風土を作っておいた上で、仕事は男女で差を付けず依頼、要望していく。任せる範囲を明確にして仕事を依頼する。そうすることで、女性社員は安心して自分の能力を発揮していくことが出来ます。
 改めて振り返ってみれば、ひと昔のように「男性は仕事、女性は家庭」という考え方ですとこのような気遣いなどほとんどする必要がありませんでした。その当時の職場を基準にすると随分変わったと思いますが、一人ひとりさまざまな背景と価値観がある今の職場では、基本的に部下に接する際に留意するべきことが変わってきていることに気づきます。

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原島敏郎
専門家

原島敏郎

有限会社ソリスナビタス

大手企業での長年のマネジャー経験を生かし、マネジャーが陥りやすい考え方や立場上の苦しさなどを十分に理解。マネジャーの上司や部下との関係を調整しつつ、実績を上げられる組織作りをサポートします

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