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原島敏郎プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

自分の意見を言わない部下

原島敏郎

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 クライアントのマネジャーの方から 「若手の部下たちがしゃべらなくて困っている。どう対応したらいいだろうか?」 という相談を受けました。

「マネジャーは部下の方たちにどうなってほしいのですか?」
「考えていることをドンドン言ってほしい。自分の意見を言って自分の意思で行動してほしい。意見を求めてもあいまいな発言しかしない。同僚同士や友人たちと話をしているところはよく見かける。私の前だと、あまりしゃべらない」
「マネジャーが来られた当初からあまりしゃべらなかったのですか?」
「私が赴任してきたばかりの頃はしゃべっていた。最近気づいてみると、話かけてもあまり反応がない」
「今までに彼らの発言を否定したり、面倒くさそうな態度を取ったりしたことはありませんか?」
「ん~。大体彼らの話は長くて、何を言いたいのかがわからない。忙しい時に話しかけられたら、面倒くさそうにしたかもしれない。相手が“ちゃんとしたこと”を言わないとイラっとすることがある。でも、それは彼らに対してだけではない」
「“ちゃんとしたこと”って?」
「こちらの意図とか、自分がおかれた状況とかがわかった考え」
「もし、マネジャーが上司の方に話しかけて、面倒くさそうな顔を何度かされたら、どんなお気持ちですか?」
「それは嫌だけれど。聞いてもらえるように話し方を工夫すると思うよ」
「部下の方たちは、しゃべっても聞いてもらえないと思って、話をすることをあきらめていることはないでしょうか?」
「そんなことないよ。だって、こっちから『意見を言っていいよ』と言っているのだから」
「そうですか。もし私が部下で、マネジャーにそういう風に言われたら、チョット萎縮してしまいますね。」
「きつい?」
「そうですね。『意見を言っていいよ』と言われても、マネジャーが期待していること“ちゃんとしたこと”を言わないといけないと思うとしゃべりにくくなりますね。部下が上司に合わせることを学ぶことも大事ですが、部下にとって話しやすい雰囲気をつくって、部下の考えを知ることも必要なのでは?」
「そうか。私が話しにくい雰囲気を作っているかもしれないね。私が思っているように答えないとイラとしているな」

 部下の話を聞こうと思っているが、部下からは話しづらいということが起こっていることがあります。自分の聞くときの“癖”を客観的に振り返ってみると、部下との関係性を改善するヒントがみえるかもしれません。

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専門家

原島敏郎

有限会社ソリスナビタス

大手企業での長年のマネジャー経験を生かし、マネジャーが陥りやすい考え方や立場上の苦しさなどを十分に理解。マネジャーの上司や部下との関係を調整しつつ、実績を上げられる組織作りをサポートします

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