Mybestpro Members

原島敏郎プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

新任マネジャーが最初に意識すること

原島敏郎

原島敏郎

 このマネジャーのために、最大限の力を出して頑張ろうと思えるようなマネジャーとはどのような人なのでしょうか?役職を振りかざして指示されてもいつも100%の力を出そうとはなりません。いわゆるポジショナルパワーでなくパーソナルパワーで人に影響力を及ぼしていくためには、まず何が必要でしょうか?
 よく信頼関係をつくることが第一歩、といいます。確かに部下から信頼されていないとマネジメントしていくことは難しいですね。ただ「信頼を得る」というと一言で済みますが、これはなかなか時間がかかります。日々の行動の積み重ねで信頼関係が出来ます。では日々の行動で何をすればいいのでしょう?
 私に「マネジメントの基本的な知識」を知りたいといってきた彼に質問をしてみました。「今まで、あなたが“この人は信頼できるな”と思えたマネジャーは、あなたにどんな関わりをしていましたか?」
 彼はそれに対して、「約束を守る」「嘘をつかない」「公私混同しない」「依怙贔屓(えこひいき)しない」「部下を感情で怒らない」「マネジャー自身がミスをしたとき素直に謝る」「マネジャーの失敗を部下の所為にしない」「自分のことをよく理解してくれている」「仕事を任せてくれた」「部下の失敗を引き受けてマネジャーの責任にする」など出てきます、出てきます。
でも、今出てきた前半は、人としての基本マナーの内容。こういう基本も出来ているからこそマネジャーになったのでしょうが、なぜマネジャーになると出来ない人がでて来るのだろうかと思ってしまいます。もしかしたら、マネジャーになると自分の保身に走り、自分の失敗を部下の所為にしたり、部下を感情的に怒ったりしてしまうのかもしれません。
 彼が出してくれたなかに「自分のことをよく理解してくれている」というのがあります。中国の司馬遷が編纂した『史記』に「士は己を知る者の為に死す」という言葉があります。現代風に言い換えれば、「部下は自分をよく知ってくれている上司のために働く」ということでしょうか。やはり人は、自分のことをよくわかってくれている人に惹かれます。その人と話をすれは、自分の話を聞いてくれ、自分の意とすることが伝わり、自分を認めてくれる。そのことで、満足感が満たされ、自信も付き、自尊心が高まります。
 マネジャーが部下からの信頼を得るためには、誰に対しても、人としての基本的な関わり方が出来たうえで、部下の話を理解しようとしっかり聞き、部下を理解することから始まるのでしょう。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

原島敏郎
専門家

原島敏郎

有限会社ソリスナビタス

大手企業での長年のマネジャー経験を生かし、マネジャーが陥りやすい考え方や立場上の苦しさなどを十分に理解。マネジャーの上司や部下との関係を調整しつつ、実績を上げられる組織作りをサポートします

原島敏郎プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

元マネジャーの経験を生かしたコーチングの専門家

原島敏郎プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼